『インテル入ってない』ヨーロッパ企画

http://www.donet.gr.jp/~europe/
作・演出:上田誠、出演:石田剛太、酒井善史、諏訪雅、永野宗典本多力松田暢子、奥田ワレタ、山脇唯、黒木正浩、角田貴志、坪倉英夫、土佐和成、西村直子
面白かったー。『サマータイムマシンブルース』には劣るけど、その次に好きだなこの芝居。相変わらずの「ぬるさ」がたまらん感じだったのだけれど、ヨーロッパ企画(というか上田誠)のあり得ない点というのは、本来流すべきでないところを流してしまい、流してもいいところを流さない、というか深く掘り進むところだよな。
インテル〜』でも、ロボット三原則とかロボット製造工場の話なのに、すんげえアナログ。それこそあり得ないほどにアナログ。しかも、芝居の中でどんどん職場が改善されていくんだけど、それすらもアナログな上に今更感漂いまくり。でもそれを誰もツッコまない。観客もツッコミたいんだけど、目の前で展開されるものが面白いからどうでもよくなっちゃう。この説得力とは別の意味の「納得力」は他では出せないよなあ。決してシュールでも不条理でもないんだもん。それにしたってロボットと人間の恋に盛り上がる前に、「え、ロボット!?」というところでもっと大騒ぎになるだろ普通。面白すぎる。
今回は、役者が多かった。永野宗典本多力が映画版『サマータイム〜』の仕事の関係からか出番は少なく(邪推)、瀬戸中基好も中川晴樹も出ていなかったこともあって新人&客演の出番が目立った。いつものメンバーが活躍していないのは寂しい部分もあったが、新人の中では角田貴志のブラックツッコミが好きだった。酒井さん(なぜか酒井さんには「さん」を付けたくなる)の理系ツッコミも大好きだが、今後はダブルでツッコんでもらいたい。でも今回一番のネタは「得意の二進法で」だけど。
個人的には松田さんの美しさに打ちのめされ、酒井さんがフラれたときにはシンパシーを感じてしまったくらいだ。次の本公演は来年までないのがツライ。新潟でのエベントにも行っちゃいたいくらいだなあ。それくらい今は好きな劇団です。映画も楽しみ。