『ヴァン・ヘルシング』(2004 アメリカ)

監督:スティーブン・ソマーズ、出演:ヒュー・ジャックマンケイト・ベッキンセールリチャード・ロクスバーグ、デヴィット・ウェンハム
なんつっても『ハムナプトラ』のソマーズですから、金のかかったおバカ映画になるんだろうと予想して見にいったら期待に違わぬバカっぷりでした。昔でいえば多分『シンドバッドの冒険』みたいな特撮映画を作りたかったんだろう。「世界中で大ヒット」という煽り文句だったけど、確かにこういう映画のニーズは確実にあるよね。
ヴァン・ヘルシングといえばブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』に登場するヘルシング教授を思い浮かべますが、本作の主人公であるヴァン・ヘルシングは、記憶を失ってバチカンの秘密結社に助けられた代償に化物を倒す、モンスター・ハンター。黒づくめの衣装といい、イメージとしては『バンパイヤハンターD』(懐かしい)に近い。
冒頭でいきなり『ハルク』のモデリングをパクッたとしか思えない造型のハイド博士を倒し(っていうか勝手に死んだ)、バチカンの指令で吸血鬼が跋扈する街・トランシルヴァニアへと向かう。んでもってここで吸血鬼たちと対決するわけだが…。
まあ、あとは予想通りの展開ですよ。代々吸血鬼と闘う一族に生まれた美女と恋に落ち、フランケンシュタインやら狼男やらまで登場して一堂入り乱れ。あとはひたすらドキドキハラハラでストーリーらしきものはなくエピソードも殆どなく、ひたすらアクション。
そういういみでは『ハムナプトラ』と同じ。出来も同じ。ひたすら映像を楽しむだけ。それでも非常に健全なアクション映画、というかある種一番基本に忠実な特撮映画だと思います。エッチなシーンもなし、難しいテーマもなし。子供に見せるには最適な映画だと思う。今時の子供がこれで満足するかどうかは知りませんが。むやみやたらとねんごろになる映画よりも好感は持てるな。自分が小さい頃はこういう映画はもっとあったような気がする。今見るとギャグにしか見えませんけど。
とまあ、そんな感じで気軽に楽しむには最適。見終わったあとも難しいこと語る必要もなし。そのバカっぷりを堪能する映画です。それ以外は期待しちゃダメ。
それにしてもヒュー・ジャックマンは少しは作品選べよ(笑)。既にコスプレ役者の印象。ケイト・ベッキンセールは巻き毛似合いすぎ。大人な私としてはもっと肌を露出して欲しかった。それはアレとしても折角なんだからもう少し衣装換えがあってもよかったと思うんだけどなあ。一番美味しかったのはカール役のデヴィット・ウェンハム。まさか『ロード・オブ・ザ・リング』のファラミアと同一人物だとは。「どっかで見たなあ」とは思ってたんですが、最後まで気付けなかった。パンフレット読んでビックリ。いい味出してます。