『バンジージャンプする』(2001 韓国)(ASIN:B0009UZ4U2)

監督:キム・デスン、出演:イ・ビョンホンイ・ウンジュ、ヨ・ヒョンス
あー、ビックリした。予想とまったく違う展開の映画だった。それだけに詳しいことは語りにくい。見る人はできるだけ事前情報を知らずに見たほうがいい。いや、ラブストーリーなのはラブストーリーですので、そこは安心(?)してください。ただ、予想もしない方向に向かいますけど。途中でホラーになったりはしないので。
一応、ストーリーの前段だけ紹介。
ある雨の日、国文科の大学生ソ・インウ(イ・ビョンホン)の傘の中に一人の女性が「バス停まで送ってくれない?」と言って入ってきた。彼女に一目ぼれしたインウは来る日も来る日もバス停で彼女の姿を探すが、バスから彼女が降りてくることはなかった。
しかし数日経ってからインウは大学で彼女の姿を見かける。彼女はイン・テヒ(イ・ウンジュ)といい彫塑科の学生だった。彼女に夢中になり、近づこうとするインウだが、生来の臆病がたたってうまくいかない。だがようやく彼女との接触に成功し、二人は恋人同士になる。夢のような毎日。二人は永遠の愛を誓う。
そして月日が流れ17年後。インウは高校教師となっていた。ここで彼はある人物と出会うことになる。
いやはや途中からまったく予想をしない方向に進むので、「マジで?マジで?」と呟きながら見てました。しかし、それを受け入れた上で見ていると、これはこれでアリ。むしろ、真っ当な純愛映画として見るしかなかった。好きかと問われると微妙なんだけど、こういう形でひとつの純愛映画を撮ったことには拍手したい。まったく別の方向から愛を貫くことの難しさを教えられた気がする。ラストをどうとるか、というのはありますが、テーマが『輪廻転生』である以上、仕方がないことかと。
導入とラストの映像、全体的な映像を含めてよく撮れている映画だと思います。まあ、韓国映画はやたらと雨のシーンを使いたがるというのはあるけど、二人が初めて結ばれる日の雨(というか部屋の水溜り)なんかは好きだなあ。イ・ウンジュもキレイに撮れてる(でもやっぱり『永遠の片想い』が一番可愛かった)。
ただ一点、演出的に微妙なのは伏線として肝になる部分を出し損ねてること。これは如何にも伏線の収束です、という描き方をされてるからもしかしたら撮影はしたけど編集でカットしたのかもしれない。ただこれが展開を変えるきっかけになるので、伏線がないから私みたいにビックリすることになるんだと思う。まあ、それが狙いなのかなあ。
イ・ビョンホンの主演映画は初めて見ました(『JSA』は見てるけど)が、人気俳優なのがよく理解できた。それだけにこういう映画だと思わなかったというのもあるんですが。大学自体は純朴で冴えない青年というキャラクターをしっかり演じていて、17年後になるとこれが驚くほどイイ男になってる。いやー、カッコええわ。顔つきだけでなく、体型とかも変えてますね。この変わりようはホントにビックリ。とにかくイ・ビョンホンで持ってる映画だから、ここがこけちゃうとどうしようもないんだけど、最後までしっかりと惹きつけてくれる。だからこそ余計に「ええー」と思ってしまうけど。
イ・ウンジュはこういう役柄が多いと思うんだけど、ちょっとだけ高飛車で快活な女性。何度見ても「なんで自殺なんかしたんだ」と思うほどに輝いてる。彼女は私が見た映画の中では大概雨でびしょ濡れになるんですが(これ本当)、この映画が一番濡れっぷりがよかった(なんかイヤラシイ書き方になってしまった)。
それと鍵を握るヨ・ヒョンスですが、これは本当に難しい役だと思う。日本だったら多分、藤原竜也小栗旬成宮寛貴あたりがキャスティングされるんだろうけど、あえてここで彼のようなキャラクターを持ってきたことが卓見。最後まで違和感を持たされつつも、頑張って演じていたと思います。この役はホントに難しいよ。
しかしまあイ・ビョンホンという俳優でこういう映画を撮ってしまう韓国という国はビックリですね。イ・ビョンホンもよく受けたよ。「韓国の純愛映画なんて」と思ってる人には是非見て欲しい。まあ、バカ映画ととる人もいそうだけどね。好きとはいいませんが見ておいてよかったとは思う映画でした。
たった一行だけですが、「続きを読む」にして、さらにネタバレ反転にしておきます。どうしても言いたい一言なのだが、ネタバレ御免になるので。覚悟はある人は読むべし。
腐 女 子は見ておくべし。