目が覚めるほどに眠い。
昨日の『ココリコミラクルタイプ』はよかった。この一年ほどの間、10時台の番組は『報道ステーション』以外見てなかったので*1、ミラクルタイプ見るの自体も久々だった。まあNHKのオリンピックダイジェストが終わって、なんとなくチャンネル変えたらやっていたので見始めただけなんだが。昨日は二時間のドラマスペシャルで「こんな女は嫌われる」というテーマで4つのミニドラマをやっていた。
まず最初の「教える女」でちょっと掴まれて、「整形する女」はオチでちょっと笑って、「殴られる女」はマナミー(コニタンとは死んでも呼ばない)のキャラがちょっと作りすぎだったけど、まさかニューヨークロケまでするかとビックリして(庄司の好演も驚きだった)、でもって最後の「結婚しない女」。これが素晴らしかった。坂井真紀、八嶋智人という役者としてのレベルが高い二人が主演だったこともあるが、とにかく台本が見事。長年培ってきたチームワークもあるんだろうが、テンポもよく、30分弱のミニドラマとは思えないほどの出来だった。それこそかつての『恋愛偏差値』の一話分として流しても違和感ないし、むしろその辺のドラマよりも遥かに面白かった。テーマもちゃんとあって、30代の女性の心の動きが非常によく表されていたと思う。あくまでもコント仕立てでありながら、さりげなくきちんとしたテーマも盛り込んでドラマとして見せてくれるというのが個人的にはツボだった。
全部のドラマで多くの芸能人がカメオ出演していたが、この「結婚しない女」はカメオ出演が最も多く(その使い方がまた見事で、ホントに感心した。モノローグの変わりにこういう手法で見せるというのは巧い)、青木さやかMEGUMI、大倉孝裕などのメンバーに加えて、南海キャンディーズが出てきたときは笑った。しずちゃんのヘアメイク凄すぎ。山ちゃんは台詞なしだったけど、この辺のキャスティングも見事だったなあ。あと、MEGUMIは普通に芝居巧いよね、やっぱり。
とにかく、このドラマにすっかり魅入られてしまい、最後は感動の涙ではないけれど、「うんうん、よかったね」とじわじわ涙ぐんでしまったほどだ。
ここ最近、ドラマ業界は本当に低調で、原作がなければドラマも作れないのかと思うし、オリジナルドラマはもっとヒドイことになっている。そんな中で、たった30分という短さの中に1クール13話分に匹敵するストーリー性とドラマ性を見事に見せてくれたこのドラマに素直に拍手を贈りたい。というか既に私の中では今年のドラマナンバーワンはこれだという感じがしている。
昔と違って展開もテンポも早くなった現在のドラマという形式の中でひとつの恋を13週にわたって見せるというのはもはやその時代性にそぐわなくなったのではないだろうか。実際『スローダンス』とかはその名の通りスローすぎてただ回りくどいだけのドラマだった。周辺人物のドラマを入れたとしても限界がある。そんなことまで感じさせてくれたドラマであった。小野沢美暁という脚本家は初めて知ったけど、憶えておこうと思う。
そういえば三省堂神田本店がリニューアルした。これまで企画コーナーとしてあったスペースが雑誌コーナーとなり、これまでの雑誌コーナーがやや縮小された。で、いわゆる新刊本のコーナーが入り口に少し寄ってきて、そのまま文芸書のコーナーもずれた感じ。ただ、海外文学に関しては大幅に棚が減った。これは他の階でフォローされているのかどうか気になる。そして、これまで映画や演劇などの芸能系の本が置かれていた奥のコーナーには地図コーナーが作られて、雑誌のるるぶなどもこちらに置かれている。
それを受けて、二階の地図コーナーだったところにコミックが置かれた。これまでいちいち四階まで昇っていた身としては便利になった。やや棚も増えてコミックの量も多くなった。三省堂らしく豪華本や復刻版などが充実していた。文庫に関しては平台が減り、棚に面差し(っていうんだっけ?)というが多くなり、見やすくなったような気はする。ただ、メイン平台がなくなったせいで、新刊文庫をまとめて見ることが出来なくなったのはやや不便。まだ棚の位置が把握出来ていないからかもしれない。慣れれば違和感なくなるかも。
レジの位置が変わったのは買う側としてよりも売り手として不便さはないのか気になる。これまでの中央から、カフェに近い位置になり、見通しが悪くなったりしないのかな。あと、奥のレジは空いているのかどうか並んでいると見えにくい。それと、客が並ぶところになぜか健康系の本が並んでいたのも気になる。文庫コーナーなのに。この台は別扱いなのかな。
イメージ的には郊外型書店やブックファーストのような一般的な書店イメージに近づいた感じ。三省堂らしい硬さが薄まったのはいいことなのか悪いことなのか。今後の売り上げにどういう影響が出るのかね。ちょっと注目したい。
しつこく印象批評関連の続き。ジャンルの拡散と肥大化が進む一方の現在、その意味においては、現在の混沌としたミステリの世界を最も俯瞰しているのはWeb上の書評家たちなのかもしれない。ただし、俯瞰はしていても、それを横断的かつ明確な意味を持って語ることの出来るWeb書評家は残念ながらそう多くはない。彼らのうちの何人かはセミプロ、もしくはプロとなって媒体で活躍し始めている。彼らが今後、ミステリというジャンルの中でどのような立ち位置に立ってくるのか、そしてそれが現在の混沌としたミステリの世界での道標になるのか。今後に注目だな。

*1:理由は明白だがあえて明記しない