いやー『役者魂!』がヒドイね。色んな意味で。その点では腐った芸能界を皮肉ってるって見方も出来るんだけどさ。半分以上は素だろ、アレ。狙いとは思えない。
先週の第一回を見たときに「こりゃヒドイな」と思ったのが、藤田まことが舞台のセットに「これじゃあ王宮には見えん。どこかのホテルだ」と文句つけた直後に、芸能事務所のシーンになって、いかにもオフィス街なのに、道の一本裏に昭和初期にでも建てられたかのような建物があるっていう設定が出て来たもんだから笑うしかなかった。セットのリアリティについて語った直後にそれかよ、と。
昨日は昨日で、通し稽古なしで本番迎えて(それどころか一時間前になっても主役の演出がついてない)、気もそぞろに芝居したら大評判で結果オーライという展開。いやさ、確かに内情は別にして芝居の評判が高いことなんてよくあることだけどさ、それで関係者が「よかったよかった」ってどないやねん。ヒロイン役は台詞すら憶えてないとかさ。そんな姿勢で客から金とって芝居すんなよ(結果オーライだから観客的にはOKかもしれんが、反省なしって)。っていうか少なくとも私にはこれっぽっちもいい芝居には見えんかったよ。それで「役者魂」とかいわれてもなあ。
本番直前に大わらわ、というのは芝居の世界ではよく描かれてて、こういうシチュエーションは三谷幸喜の得意なものでもある。『ショウ・マスト・ゴー・オン』とか芝居じゃないけど『ラヂオの時間』とか。だけど、これらの芝居が笑いながらもちゃんと見れるのは「なんとか芝居をちゃんと見せなくちゃ」という関係者達の悪戦苦闘がしっかり描かれてるからだ。それが空転する様もあり、うまくいっちゃうこともあったりというのを楽しむわけで、決して「手を抜いた」わけではない。
「手を抜いた」結果、いくら評判がよかったからといって開き直られてはなあ。しかもそれを「役者魂」といわれてもなあ。
君塚良一がどういう意図でやってるのかわからんのだけど、そういう腐った芸能界を揶揄してるんだとしたら、それはそれで面白いと思うんだけど。多分違うよなあ。とりあえず三谷幸喜の感想が聞きたい。
先週の自分のテンションが低かったのは、いっちゃんが遅い夏休みを取って一週間休みだったからなのではないかと思い始めた自分。