『子猫をお願い』(2001 韓国)

監督:チョン・ジェウン、出演:ペ・ドゥナ、イ・ヨウォン、オク・ジヨン
2001年に韓国で上映され、その年の韓国の女性が選ぶ映画第1位に選ばれた作品(2位は『猟奇的な彼女』)。様々な賞を受賞し、遂に日本での公開となった。
高校時代、いつも一緒だった5人の女友達。しかし20歳を迎え、それぞれの道を歩み始め、バラバラになっていく。保守的な家に育ち、悶々とした思いを抱えて生活するテヒ。上昇志向が激しく見栄えやお金にうるさいヘジュ。良心をなくし年老いた祖父母とバラックに住み、貧しい生活を送るジヨン。そしてマイペースな双子。それぞれの生活と薄ぼんやりとした将来。やがて5人の関係は少しずつ変化していく。
蓮實重彦がオススメしている映画とあって予想はしていたのだが、悪い映画じゃなかったけど正直よくわからんかった。おそらく女性にとっては「ああ、わかる」という部分が沢山あるのだろう。決して否定的にはならないんだけど、「面白かった」という感じの映画ではなかったなあ。見て良かったとは思うけど。
女性からしたら普通のことなのかもしれないけど、男の私から見ると「良くぞこれだけタイプの違う女性達が親友でいたなあ」と思った。個性がバラバラってのはわかるけど、どう考えても合わない二人がいるってのが不思議。それを取り持ってたのがお人好しのテヒなんだろうけど。
それと、30過ぎのオヂサンから見ると、20歳の段階で「高校生だったあの頃はよかった」と言われても…。まあ、近い思い出だけに余計に懐かしく感じるのかもしれないけど。後ろ向くよりも前見ろって。
そんなわけで、どちらかというと大切にしていた「あの頃」が壊れていく話、というよりは「変わっていく自分」が過去を振り捨てていく、という風に私は見ました。そういう誰にでも起こりうる成長の一コマとして描かれた映画としてはなかなかよかったと思います。
余談ですが、この映画でも韓国の生活事情には結構驚かされました。特に仕事中でもバンバン携帯電話で話すのにはビックリ。アレはされたくないなあ。