『強行 -1-』横山秀夫/所十三(ISBN:4063462498)

買おうかどうしようか迷ったんだが、横山秀夫ファンとして結局買ってしまった。所十三の絵ってのが微妙だと思って躊躇していたんだが。
内容的には横山秀夫の単行本『第三の時効』をマンガ化したものでオリジナルではない。この第一巻では単行本の順番どおり【沈黙のアリバイ】がまるまる一巻分使って収録されている。おまけに原作に完全忠実(だと思う)。原作ファンとしては嬉しいけど、予想通り所十三の絵はマンガならでは、という面白味に欠ける。もともとこの人は動き描くのが下手だからなあ。それと横山秀夫の文章による切れ味というのはやはりマンガでは表せない。その分、作画者得意の人情系に傾いている。まあ、これ真がマンガ化した味わいと言えないこともない。ファンが読んでガッカリするわけではないが、読んでよかったというわけでもないかな。原作知らずにマンガだけを読んだ読者がどう思うのか知りたいところだ。