蹴球微熱 アジアカップ2004 日本VSバーレーン

試合としてはとても面白かった。先日のイランVS韓国戦を上回るほどの面白さだったよ。しかし、日本代表という個人的ナショナリズムの面から見るとどうにもなあ。
この試合の結果がどうであれ、私自身はスタメンを見た時点でジーコに対する認識は「もうダメだ」というものだった。それはこの結果を見てもかわらないし、アジアカップで優勝したとしても変わらないと思う。ジーコがこのスタメンにこだわる理由が皆目理解できない。これからもこのメンバーを中心に、というのであればまだ理解は出来る。しかしどうせ「かいがいぐみ」とかいう人達や怪我人が帰ってくれば控えに回される人が半分を占めるチームじゃないか。試合日程やヨルダン戦の120分+PKを考えても体力的にキツイのはわかりきっているし、報道では怪我人もいるとのことだった。試合内容を見たって彼らの疲労がたまっているのは明らかで、3点獲られた原因を突き詰めれば中盤からDFラインにかけてのチェイシング不足だったのもわかるだろう。「勝っているチームは変えたくない」というのはよくあるジンクスだが、短い期間での大会を考えたら控えを含めた全員で勝ち抜けていくのが常套手段だと思うのだが。疲労した身体では怪我もおきやすい。この対会で優勝したとしてメンバーの誰かが致命的な怪我を負ったとしたらどうするのか。さらに私が心配になるのは控えのメンバーの気持ちの問題である。「自分は所詮、体力的にも厳しく怪我を負っているこの選手よりも格下なのだ」と感じてしまう選手がいても不思議でないと思う。何度もいうようだが、加地があのパフォーマンスで常にスタメンである理由が私には理解できないし、ファウルを貰うことしかできない鈴木がスタメンであり続けるのも理解できない。ジーコにとっての控えメンバーというのは「出来るなら使いたくない」選手でしかないのだろうか。あの11人が絶対だ、というのならまだ理解はできるのだが、前述したように彼らは海外組と怪我人が帰ってくればお役御免になるのである。あれだけのスーパープレーをした川口でさえ、この後の保証はないだろう。全員にチャンスを与え、その結果から最高の11人を選んだ、ということでもない。理解できないことばかりだ。
日本サッカー協会ジーコ監督に求めているものはなんなのだろう。アジアカップ優勝?、ドイツワールドカップ出場?、ワールドカップでのベスト8?。どれも達成できないかもしれないし、達成できるかもしれない。そして結果が大事だという考え方も理解は出来る。しかし、過程は無視なのか?。海外組を重用しすぎた結果、Jリーグの選手達が我も我もと海外に流れ、Jリーグが弱体したら?。使う気もない選手を代表選手として呼ばれチームの戦力減になることを嫌がるチームや、そういう扱いをされることを嫌がる選手達が出てきたら?。結果は確かに大事である。しかし、そこにいきつくまでにどのようなビジョンの元、どのような判断基準で、どのように評価を下してきたのかがわからなければ意味はないと私は思う。棚からボタモチで優勝したから、目標は達成できたからそれでいい、というのはどうなのだろう。でもまあ、優勝して欲しいのも事実だけどね。
追記:
そうそう、殊勲者の一人である中澤のこのコメントには感動した。私も玉田は本当に頑張ったと思う。