うーん、仕事のせいで気分が停滞気味。このところ本のレビューがピッタリ止まっているのはそれが一番大きい理由かも。溜まってきたなあ。こんな時には関係ない話をするに限る。
てなわけで松田聖子のベストアルバムとか聴いているわけですけれど、やっぱ作詞:松本隆、作曲:呉田軽穂松任谷由実)のコンビって最強だね。名曲中の名曲である『赤いスイートピー』は言うまでもなく、個人的に大好きな『蒼いフォトグラフ』とか、『瞳はダイアモンド』とか痺れまくりですよ。『Rock'n Rouge』の「ス・ス・スキだと」の部分(わかる人だけわかってください)とか凄いと思うよ。
昔、原田知世さんのエッセイを読んでいて、松本隆の詞に感動した、ということが書かれていて、そこに例として出てくるのが松田聖子の『花一色』という曲の、

人の夢とペンで書けば儚いって読むのですね

という一節。これ読んだとき、初めて歌の歌詞を文字だけで見て感動したの憶えてます。今はこういう職業的作詞家はあまりいなくなったよなあ。少なくともメジャーな場所では聴けなくなった。シンガーソングライターであることはそれはそれで素晴らしいし、その良さもわかってるけど、こうした作詞家や作曲家の良さもあると思う。阿久悠松本隆、森雪乃丞、康珍化秋元康。こうした人々たちが作ってきた“歌謡曲”という世界も私は好きなんだよなあ。
ガールズポップというのは、あのちょっと下手な加減がまた絶妙によかったりする。等身大に近い歌声で、上記のような歌詞を口ずさむわけだ。多分、そこが響いてたんだと思う。変な話、上手くなれば上手くなるほど魅力を失っていく歌手だっているし。
洋楽の世界にも昔はノーランズとか、バングルスとかGO-GO'Sとかティファニーとかデビー・ギブソンがいた。元々洋楽ではガールズポップというのは認知され難い分野だったけど、今はますます聞かなくなった。いやまあ、ブリトニーとかビヨンセ(ディスティニー・チャイルド?)とかもそういう範疇なのかもしれないけど、私の中ではポップではないんだよなあ。大好きなアヴリルは年齢に関係なく、完全なロックだしね。
こうした現象を寂しいと思うのは私が単に年寄りだからなのだろうか。私の上の世代が演歌が売れなくなって寂しいと思うのと同じなのだろうか。別に真面目に思い悩んでるわけじゃないけど、ふと思ってしまったのでした。