『Europe Fields Forever』ヨーロッパ企画+シュガーフィールズ

企画・構成:ヨーロッパ企画+シュガーフィールズ、脚本:上田誠、音楽:シュガーフィールズ、出演:石田剛太/酒井善史/清水智子/角田貴志/諏訪雅/土佐和成/中川晴樹/永野宗典/西村直子/本多力/山脇唯 
たった一日、一回だけの公演。それも芝居(コント)とライヴのコラボレーションだしライブハウスだし、ということでどうなることかと期待半分不安半分で観に(聴きに)行ってきました。
まず、シュガーフィールズのメンバーが登場して普通に演奏するわけだが、観客は座ってるし(ほとんど桟敷だ)、なんか違和感あるライブ、という微妙な空気。3曲演奏したところでMCが入り、「ヨーロッパさんからやって欲しいと言われた」曲である『バス』が演奏され、その後にヨーロッパ企画のコント。そんな感じで2時間半。慣れない椅子に座り続けたせいで尻と腰がメチャメチャ痛くなり、挙動不審人物になってました。
んでもって感想ですが。やられた!。見事なり上田誠。何の脈絡もないかと思えた7本のコントと、シュガーフィールズの歌詞及びバンドの存在がラストで一気に収束。まあ無理矢理感は否めないが、それよりも収束したことに驚愕。正直、スゲエと思った。尻の痛みも一瞬忘れるほどに。
実をいえば私も過去にバンドとのコラボレーション芝居を一度やったことがある。私の場合はバンドのメンバーを芝居に絡ませることで対処したが、今回のEurope Fields Foreverでは、シュガーフィールズは単体としてのバンドの形をまったく崩すことがなかった。しかし、それでいてひとつの公演として絡まり、成り立たせる上田誠の豪腕にビックリ。これは凄いわ。
まあ、東京と京都で一回ずつの公演だし、狭いライブハウスが舞台だし、オムニバスコント(実は違うが)で一人何役も演じるから、全体としての完成度は低いし、ラストもツッコミどころは沢山あるけど。それよりなにより一連のコントと、シュガーフィールズがひとつの話でまとまったことが素晴らしい。一つ一つのコントがバカバカしいだけに、余計に凄さを感じたよ。バカをやりつつ、キッチリ収める、というところに嫉妬と羨望。いや、格の違いか。
シュガーフィールズの音楽は'90年代の渋谷系を思い出す感じで、なかなかよかった。ギターのジャカジャカストロークが好きな私としては満足だった。
それにしてもホント、ヨーロッパ企画からは眼が離せませんなあ。