昨日のネタの続き。id:dominoさんからTBされていて、最初はコメント欄に書き込もうと思ったんですが、長くなりそうだったのでこっちに。
昨日も書きましたが、皮肉というわけではなくこの賞自体には個人的に賛同しています。特に書店の方々が「自分達が選んだ」ということでモチベーションが上がる、それこそが本屋大賞の最大の特色だと思います。どんな会社や業界でも内から何かを変えようとする力というのは大きいですし。だからこそこれを刺激に富士書房さんのようにフェアを展開し、現場を活性化させることができる。要するに大賞を選ぶことが大切なのではなく、それをどう「売る」か、ということです。これってある意味現場で生きている人たちのマーケティングの産物なんですよね。現場の人間が「売れる」と思った商品を売れる広告宣伝をし、さらに生産業者(版元)をプッシュして在庫を増やし売り上げ拡大を狙う。とても正しいビジネスのやり方だと思います。その意識があるかどうかは別としても。
これはホント皮肉ではなく、改めてビジネス的な視点から見てみるとそう感じる。逆にランキング(投票)することによって、平均的な結果が出るのも消費者(読者)を考慮に入れた場合、いいのかもしれない。ここで特殊な本が選ばれるより、万人受けしそうな本が選ばれた方が喜ばれる。イメージとして「本屋大賞に選ばれた本は(私にとって)面白い。だから他の作品も読んでみよう」というスタイルを確立しやすい。ある程度以上の本読みから見れば新鮮味に薄れたランキングに見えても、また別の観点から見れば有効な一打だということですね。
であればこそですが、書店は本屋大賞作品を「売る」努力をすべき。そのための賞なんだから。自らが選んだ本が大賞やランキングに入ればモチベーションだって上がるだろう。とも思うわけですが、残念ながら三省堂本店、書泉グランデ東京堂紀伊國屋といった書店に足を運んでもそれ用の平台を用意する程度で特別なことはしてないんですな、これが。各店舗独自(もしかしたら版元と共同)のフェアの方が派手にやられていたりする。その辺はどうなのかなあ、と。
ああ結局苦言めいたものになってしまった。いやしつこいようですが、この賞には賛同しています。しかもまだ2回目だし、まだまだ試行錯誤発展途上なのも承知。単なる一人の本読みとしての感想というか、そういうものだと思ってください。