今年も『クリスマスの約束』を見たわけですが、まさか22日の深夜だとは思ってなかったので危うく見逃すところだった。ただ正直、規模も大きくなり、普通の小田和正ライブとあまり変わりがなくなってしまったのが残念。私自身は小田和正が他のアーティストの歌を歌う、というのがこのイベントのメインと思っていたので、それが減ってしまうとなあ。ゲストに中居を呼んだ意味は本当に半年後くらいにわかるのだろうか。
23日は都内主要箇所の道路は激混み。明治通りなんぞを選んで走ってしまった自分が悪いのだが、渋谷新宿辺りはまるで動きませんでした。新宿のタイムズスクエア前で20分立ち往生した時は「このままここで夜を明かすのか」と思ってしまった。どうやったらあれくらい動かなくなるのか誰か教えて欲しい。
その反動というわけではないですが24、25はほぼ何もせずダラダラとテレビを見ているだけでした。
で、『M-1グランプリ』の感想(がくしは読まないように)。個人的には準決勝を見逃したことがショック。誰か録画見せてください。
事前の予想では笑い飯麒麟チュートリアル辺りが優勝候補かな、と思っていたんだけど、個人的には品川庄司に獲らせてあげたかった。今でこそバラエティ慣れしてしまい、ネタを見る機会が少なくなった二人だが、かつて『虎ノ門』の若手のネタ大会とかでは毎週のように新ネタで勝ち抜いてたし、ツッコミ重視の私としては庄司のツッコミは今時珍しい、芸術ともいえるどつきっぷりで(ホントにいい音するし半端じゃない)、M-1のような大会で認められて欲しかった。まあ品庄に「基本はネタ」というのを忘れてもらいたくない、というのもあったが。
ここからは順番に。

  • 笑い飯
    トップバッターとしては最高の出だしだったと思う。Wボケの強みが出た感じ。ただ、この笑い飯が受けたことで今日の場が出来てしまった。つまり、遣り取りの激しいテンション高めのネタが受ける、という空気。この時点で南海キャンディーズ麒麟はなくなったと思った。
  • アジアン
    ネタの熟成度が低かった。早口言葉が最後まで絡まないし、結局はブスネタに頼ってしまう。グァバ葉ポリフェノールは最高だったけど(山ちゃんっぽい表現だよなあ)。女性はどうしてもブスとかのネタに走りがちなので、真っ当ネタで勝負して欲しい。それが出来ないと今後も女性コンビの優勝はないと思う。
  • 南海キャンディース
    元々テンションの高さや勢いが売りではないが、それにしてもこのネタは緩い。少なくとも短時間一発勝負に持ってくるネタではなかった。おそらくここで持って来る飽きられていないネタがなかったのだと思う。静ちゃんの緩さが南海キャンディーズの売りだとしても、やはりそこは山ちゃんのボキャブラリー溢れるツッコミがあってこそ。そのツッコミの機会が減るのは痛い。ただ、こういうネタが基本だと思うと今後の優勝も難しいだろうなあ。一番向きではないんだよなあ。私は好きなんだけど。
  • チュートリアル
    いわゆる関西系のぶっかけ漫才。十分面白かったけど、意味のある遣り取りではなく、シュールなネタで半分は芝居で、というか顔芸に近いところでの笑いになってしまった分点数が伸びなかったのではないかと推察する。ツッコミがこういう立場に立たされる、というシチュエーションはなかなか面白いと思った。
  • ブラックマヨネーズ
    まったくの無印だったが笑わされまくった。ボーリングの球ひとつでここまでやるとは。とにかく見事な畳み掛け。この日の空気にもピッタリはまって、この時点での1位は順当。若手には見えないけど。
  • 品川庄司
    まさかここで庄司が目立つネタを持ってくるとはなあ。予想外。庄司に天然の神様が降ってこないかな、と期待したが降ってこなかった。スゲー頑張ってたけどなあ。もっと本来のネタでやって欲しかったなあ。あとはやはり釈由美子で滑ったのがイタイ。
  • タイムマシーン3号
    深夜の番組でみた時は小太りデブがもっと動いてたので、今日は動きが少ないのは、審査員を意識しすぎたのかな、と。デブネタ自体は好きなんだけど、ツッコミが弱いよなあ。バランスがイマイチ。
  • 麒麟
    やはりネタ自体は弱いなあ、と思って見ていて、この勢いでは辛いだろう、とも思っていたのだが、オチがあまりに見事に決まった。それこそ今年一番のオチ。素直に拍手が出た。ただ、あくまでもオチの素晴らしさで残ったから次は厳しいよなあ。
  • 千鳥
    4分という時間制限のせいもあるがこのネタに入るには枕が唐突。しかもその割りに笑いのパターンが少なくて後半は飽きる。カッコいい言い回しのところでオチにしとけば印象よかったと思うんだが。後半のズルズルが祟って点数も伸びず。敗者復活の内容はわからないんだけど、個人的には東京ダイナマイトとかが見たかった。まあ東京ダイナマイトも畳み掛け系じゃないから辛いだろうけど。

てなわけで決勝に進んだのはブラックマヨネーズ笑い飯麒麟麒麟は一番手を選んだが、まあ死んで元々という部分もあったと思う。

  • 麒麟
    麒麟の面白さはイコール川島の面白さなのかもしれない、と思ってしまった。前のネタのオチも、そしてこのネタの枕の部分もとにかく川島の凄さは感じた。それについては素晴らしいとしかいいようがない。「忘れてた。麒麟です」の部分はホントに爆笑したよ。これで田村のツッコミにもっとバリエーションがあれば最高なのに。田村はホントにツッコむだけだからどうしてもネタ自体が弱くなる。それを再認識。
  • 笑い飯
    この場面でハッピーバスデーネタを持ってくる強心臓がさすが。笑い飯は基本的に長尺ネタが凄いと思っているんだけど(ネタに入るまでの枕が長くて好き)、今日は勢いあったなあ。ただ、Wボケならではのボケっぱなしにならずに、ボケを受けすぎてしつこいネタになってしまったのも事実。スピード感という点で前のネタに劣ってしまった感じ。
  • ブラックマヨネーズ
    見事なまでに前のネタと同じ構成。ボーリングが格闘技になっただけ。ただ、だからこそこの形は完全にモノになっていてまったく問題なし。基本的な構成は、「悩み相談」→「適当な返事」→「適当な返事に対する怒り」→「それを和まそうとする更に適当な返事」→「更なる怒り」→「引っ込みつかず」というパターンなんだけど、本当に完成されている。オチまで一緒かよ。それを完成度の高さと取るか、それしかできないと取るかで評価が分かれるなあ、と思ったが結果的には完成度が勝った。

というわけでブラックマヨネーズに4票、笑い飯に3票。ブラックマヨネーズの優勝。順当だと思う。逆にこれでブラックマヨネーズが取れなかったら来年以降は厳しかったんじゃないかなあ。これ以上このネタ構成で上には行けないし。笑い飯はまだまだパターンがあるけど。
審査員の好みもあると思うけど、やはり喋くりで、アップテンポの漫才が強い。あとは使い込んだ完成度だろう。これまでの歴代を見てもその印象は変わらない。その点ではやはりリズムを作るツッコミが重要だなあ、と思った。ブラックマヨネーズの場合はボケが勢いを作る(怒りボケ?)という形が上手かった。そういう意味では不利なコンビとかも沢山いるんだけど、M-1M-1としての評価があっていいんだろう。ボケは天才肌が素晴らしいけど、ツッコミというのは本当に天性なものだな、と思いますよ。理屈じゃない。