『安楽椅子探偵 ON AIR』を推理してみた

というわけで、既に〆切時間は過ぎてしまったのだが、ひとまず推理してみる。
犯人の条件は以下の通り。

  • 霊視ノートの表紙を知っている人物
  • 声だけでは判別がつかない人物

たったこれだけ。他にもいくつか気になる点はあるのだが。例えば、

  • なぜ西大路は赤いコートを処分しなかったのか
  • 14日のアリバイはどうなるのか
  • みやびの携帯電話が置かれていたのはなぜなのか

これらについてはまず、
みやびが殺されたのは14日ではない。彼女は自分自身でトランクに荷物を詰めて西大路のマンションに向かい、その後で殺された。部屋に16日発売の雑誌が残っていたということは16日か17日だと思われる。赤いコートは彼女自身が着ていったが、西大路は14日は彼女には会わず、再現VTRを見て彼女の上着が「白のダウン」と判断して、白のダウンを処分した。
と考えれば、上の二点については消去できる。ただ、この内容は「泥酔した一時間後に車を運転して西大路のマンションに向かえるのか」という疑問は残る。ただ、再現VTRでは泥酔しているが、烏丸の証言の中では特に「泥酔していた」という証言はない。まあ、泥酔もしていないのになんで家まで送るのか、という疑問は残るが。
みやびの携帯については、「みやびを殺した犯人と、ルナを殺した犯人が同一であることを匂わせるため」という風に考えられる。ただこれも、「だったら木津が拘留されてる時にやるなよ」と思わんでもないが、のっぴきならない事情があったと考えるしかない。
こうした条件を鑑みると、完全に条件が一致する人物というのは実はいない。太秦がノートのコピーを見ている時に、劇団員たちが見ているから彼らは条件に一致しそうだが、再現VTRに出演していることを考えると顔と声は一致していると考えられるので却下。
で、考えた結果。ディレクターの岩倉かAD衣笠が残った。キーポイントは、木津を番組で使う時に岩倉が、「深草!木津を用意しろ」と叫んだこと。この時、岩倉は編集室からスピーカ越しに怒鳴っている。つまり、この声が誰の声かはルナはわからない。同時に、「深草」と呼ばれて実際に準備に走ったのは衣笠。ルナは衣笠を深草だと思っている可能性がある。しかもマスク越しにしか話をしたことがないので、通常の声を認識しているのかどうか不明。
この二人からさらにどう絞るか。衣笠のマスクに注目すれば、「仮面」というルナの予言に対し不安を感じた衣笠がルナ殺害、ということも考えられるが、基本的にこの番組では動機を考えないというルールがあるから、「声と顔(人物)が一致しない」という部分にポイントを置くなら岩倉なんだよなあ。車のタレコミ電話を衣笠が取ったとかいうポイントもあるんだけどね。
岩倉のルナ殺害については、これ以上のルナの霊視を期待できない岩倉が視聴率獲得のために殺したのではないかと。ノートを破ったのはあれが鑑定されて解読された結果、霊視が嘘だとバレるとこれまで予言どおりに死体が発見されたりしたこととつじつまが遭わなくなるからではないかと。
岩倉が犯人と考えると、ルナの霊視が当たらないことを知っているから「犯人を名指しさせても問題ない」と思っているだろうし、「行くところまで行くしかない」という台詞がルナ殺しにまで至った心中の吐露と考えられなくもない。ノートに最初に固執したのも岩倉だし、ビデオを確認した後にビデオまで処分したのも頷ける(あの時点では予言が大幅に外れていたわけではない。14日当日に殺されてトランクで運ばれたわけではないが)。
そんな感じなんだよなあ。だがこれがエレガントかと問われるとエレガントとは思えない。しかも〆切は過ぎてるから当たってたところでどうにもならん。さて、あとは大人しく解決編を待とう。