クリエイティビティ

今度は『氷点』がリメイクだ。っていうか『氷点』はいったい何度ドラマ化されれば気が済むのだ?。つい最近もやってた気がするぞ。ここのところのリメイクブームは留まるところを知らない。『白い巨塔』が先駆けか。松本清張だけでも他に『指』、『けものみち』と続き、「赤いシリーズ」につい先日も『愛と死を見つめて』があったばかりだ。そういや4月からの連ドラでも『七人の女弁護士』がありますね。
これはドラマのコンテンツ不足なのか、それとも新作で冒険するよりもかつて視聴率を獲れていたドラマをリメイクするほうが「安全」とテレビ局が考えているのか、おそらく後者だろう。小説やマンガ原作のドラマ化ばかりが中心なのも既にそのジャンルの中で人気があることが事前にわかっているからドラマ化しているに過ぎない。視聴率を恐れるあまりテレビ独自のコンテンツというのがどんどん減ってきている。ドラマだけじゃなく、バラエティに関してもどこかの局が一発当てたらすぐに似たような番組ばかりが横並び。前にも書いたけど海外の番組のネタを引っ張ってくる番組なんかはVTRまで同じもの使ってる場合があって笑ってしまう。
もはやテレビの中に「オリジナリティ」は存在しない。当たり前の姿になって今更誰も指摘しないくらいニュース番組はどこも同じ映像を流しているし、アナウンサー戦略まで同じだ。
しかし、そんな状態になってもテレビの影響というのは計り知れないものがある。昨今では出版業界でも「売れる本は売れて、売れない本はまったく売れない」という声をよく聞くが、これもまたどこのテレビも同じ本しか紹介しないからという部分はあるだろう。まあ、その紹介の元になっているデータが「売れてるか売れてないか」というデータなわけだから「売れる本はますます売れるし、そうでない本は売れない」という傾向は強まるばかりだ。
日本という国の画一化はいっそう進み、かつては「一億総中流時代」なんて言われてたけど、「一億総コピー化」時代が来るんじゃなかろうか。
なんて思想臭い話はどうでもいいとしても、テレビに関わる人たちはここまで腐りきった状態でよく「クリエイト」とかいう言葉を使うよなあとか思ってしまう。まあ、こんな状態でもちやほやされるんだから麻痺してても仕方ないのもかもしれんけどね。