【はじめに】
各所でMYSCONに関しての多くのご意見をいただき、誠にありがとうございます。こうしたご意見をいただくこと、各所で議論(のようなもの)がなされるのは率直に申し上げて嬉しく思います。それだけ皆さんがMYSCONに無関心ではない、ということの現れだと思いますし。
ただ、一部ではSNSとブログ間での遣り取りになったり、それ以外でも全ての意見がまとまっている場があるわけではないことから、議論に齟齬が起きていたり、ちょっとした誤解が生まれたりしているので(私も全てを読んでいるわけではありませんし、私自身が誤解・曲解していることもあるかも)、ここらで、私が見知った範囲での意見を総合したひとまずのまとめのようなものを書いておこうと思います。というか私自身が某SNS内での発言に終始したことにより誤解を招いたり、一部には不満に近いものを感じたりした方もいるかもしれませんので、ここらで一度書いておいたほうがよい、というところもあります。その点については大変申し訳なく思っております。
【前提】
このまとめは主に、室長飛鳥さん(id:asuka_sitsucho)、某SNSでのスズキトモユさんの発言、それらに対するコメント、そしてスタッフでもあるsasashin(id:sasashin)の発言を受けてのものであることをご了承いただきたい。SNS内での発言に関しては読めない方が多いかとは思いますが、詳細は別として、それを踏まえた上でわかるように書いたつもりではありますのでお許しいただきたい。
ただし、以下の内容に関しては現時点では完全な個人的な意見であり、MYSCON代表としての意見でもなければMYSCONスタッフやMYSCONに深く関わっている人たちの総意ではありません。
まずはこのことだけは断っておきます。

MYSCONの現状】
そもそもの発端はMYSCON7の朝方に私、sasashin、スズキトモユさんの三名を中心にMYSCONの現状についてお話したことです。
これまでのMYSCONには累計で500名以上、延べにしても200名以上の方々がご参加してくださったことになりますが、結果としては毎年80名前後の参加者で落ち着く結果となります。たとえば〆切前に100名の参加申し込みがあって泣く泣く締め切らせていただく、というようなことはない。 リピーターがいないわけではないですし、毎年コンスタントに初参加の方もいらっしゃいますので、MYSCON自体が縮小しているということではない。なのに毎年80名前後で落ち着いてしまうのはなぜなのだろう、という疑問を元に話をしました。

【それに対する考え】
この現状を維持していくこと、それがMYSCONとしての目下の目的ではあると思いますが、現状維持を目標としてしまうことで、実際は少しずつ縮小していくということはよくあることです。その意味でも「ある程度の広がり」を目標とすることが私個人としては必要だと感じており、そのためにはどんなことが考えられるだろうか、ということについて私なりの考えを話し、同時にスズキトモユさん、sasashinからも意見をもらいました。
さらに、このことについてMYSCON7終了後に、スズキトモユさん、室長飛鳥さんから場所は違えど「こうしたらよいのではないか」という意見をいただいた、というのがこれまでの流れになります。

【そこでshakaの思うこと】
MYSCONを大きくしたい」とう表現をしましたが、規模・人数に関していえば、殊更に大きくなればいい、という風には思ってはいません。 一見矛盾する言葉に聞こえてしまうかもしれませんが、現在のMYSCONにはMYSCONとしての良さがあり、私も含め、この現状を気に入っている方も多くいると思います。なので、現在のMYSCONMYSCONとして残しつつ、それとは別、もしくはMYSCONに連なる更なる可能性としての規模拡大、ということですね。
これだけのミステリ好きが毎年集まり、ある一定の空間を作り出し、ネットの上も含めて多くの交流が生まれました。それは人の集まりをパワーだとするのならば、決して小さいものではなく、このパワーをもっと何かに向けて動かす、大きくいえば「ミステリ界に影響を与える」こともまったくの不可能ではないと思うのです。
そして、毎年のように、ミステリ好きだからこそのミステリ界への憂い、出版業界への憂いが語られるわけで(そこまで大袈裟なものではないとしても)、であれば、読者の立場として、よりミステリという分野を盛り上げることはできないのか、とは思っています。そして、それは現状のMYSCONでの横ばい状況を考えると正直難しい。それゆえに「MYSCONをより大きくしたい」といった言葉になってあらわれました。

【アイデアとして】
しかし実際には、これがMYSCONでなくてはならない、というわけではなく、他に場を設ける、もしくはMYSCONと連動した企画として行う、といったことも可能だとは思います。
昼に本会、そして泊まりイベントというのはそうした視点からのひとつの意見ですし、ネットを含め、一年に一回ではなく、通期でなにかができないか、というのもそれにあたります。昨年行ったMYSRECなどもそのひとつの結果になります。数は少ないですが、このMYSRECによって新たな交流が増えたことは事実ですし、MYSRECを経て、MYSCONに参加してくださった人も実際にいますから無駄ではなかったと思います。
そして、この部分に関してスズキトモユさん、室長飛鳥さんからは非常に有用なご意見をいただきました。それ以外にもコメントという形、もしくは直接私に向けてのご意見をとして様々なご意見をいただきました。

【ジレンマ】
しかし、現在のスタッフ、そして周辺の人間のことを考えれば、「あくまでもMYSCONは大規模なオフ会としての場である」という思想の元に集まり、運営をしてきたのであって、私の意見に対しては「いや、自分はそこまでしたいとは思っていない」という意見は実際にはあると思います。意思はあっても「そこまではできない」というのが実際のところでしょう。
それを考えるとMYSCON代表として、「MYSCONを発展させよう」と無責任に言い放つことはできないし、したくはない。なにより、自分の中にも「今のMYSCONMYSCONで大好きだ」という気持ちがあることも否めない。内輪という言葉は嫌いですが、外から見ればそういう分も確かにある。私はそれを「家族的」という言葉で代用したい思いますが、それゆえの良さ、特に居心地の良さ、というものがMYSCONのひとつの財産でもあるからです。
特に普段は交流がなくてもMYSCONに何度も通っているうちに気軽に話ができる、というのは他では得られない良さであると考えます。現実に私とスズキトモユさんはMYSCON以外では一度しか直接お会いしたことはありません。ネット上での交流も表立ってはありません(互いにサイトを見ることはしていると思いますが)。それでもMYSCONであえば当然のように話もしますし、今回のような突っ込んだ話もできる。これは他の人にとっても同じようなもので、この雰囲気は守っていきたい部分でもあるのです。
ただし、この部分に関しては異論もあるかと思います。それが「排他性」に繋がっているという意見は以前から耳にすることがありました。ただ、私たち(スタッフ)は少なくともそんな気持ちは微塵もなく、むしろ交流の場を広げたいと思っておりますが、その努力がうまく見えてないのであれば、それは課題として真摯に取り組みたいと考えています。しかし、今はちょっと話題がズレるので、これについては深く言及しないことにします(ただし、このことについてもご意見があればご遠慮なく発言していただきたいとは思います)。

【その上でのshakaの考え】
閑話休題。現在のMYSCONの雰囲気を含め、MYSCONとしての形はなるべくそのままに、それ以外の部分でMYSCONというか「ミステリ好きの集まり、パワー」と活かすことができないだろうか、というのが私の考えです。現状のMYSCONに対してノータッチ、ということではありませんが。確かにマンネリになっている部分もあるし、新しい家族にとっても住みよい場所にはしたい。

【そこで今回の件】
ただ、今回の件では、最初に述べたようにそれらの意見が様々な場で発言され、少々ごちゃごちゃになってしまっていること。そして上記に述べたように「MYSCONとしての総意」ではなく、元が私の個人的発言になっている点。さらには現時点において「MYSCONとしての公式な対応」ができていないことなどが原因で混乱を招いてしまった感があります。
スタッフのリソースの問題(大喜利含む)や、イベントとしての質の問題などについては、前提条件としてのMYSCONをハッキリとさせないとなかなか議論としてはまとまりにくいだろう、ということです。 これについては少なくともスタッフ間でのコンセンサスをある程度必要としますし、なによりそれがなくては折角のご意見を反映させることができないと考えます。
ハッキリさせなかった私に責任はあるわけで、スズキトモユさん、室長飛鳥さん、そしてそれぞれのエントリに対しコメントをつけてくださった方々にとっては「目標がどこにあるのか」がわかりにくい議論(意見交換)になってしまったことをお詫びします。
個別のご意見に関してはいずれ場を設けてまとめるか、二度手間のようになってしまいますが、そういった場を設けた上で再度、ご発言していただくこととしたいので、ここではひとつひとつを挙げることはしませんが、参考になったことは間違いないですし、そのご好意自体が非常にありがたく感じました。

【裏か表か】
さらに、室長飛鳥さんがいうように、こうした意見交換は本来裏でこそこそやるべきではなく、表に出して広く意見を求めるべきことだとは思います。ただ「裏」「表」という感覚は、ちょっと違和感があります。今回の件はあくまでも「語りの場所が違う」ということに過ぎないと思います。「表」「裏」という表現は「表」が正しく、「裏」が悪いようなイメージを与えてしまいますが、それは単なる「場」の違いだけで、どちらが正しいということはないと思っています。その上で、今回はそれぞれの「場」の意見が双方向に噛みあわない形で提示されたことが問題なのであって、それを招くような要因を作ってしまったことに関しては申し訳ないと思っています。
さらに「意見の方向性と前提条件」が確立しないまま、無条件に意見を求めても拡散するし、不躾な批判が起こりうる可能性もまたあります(今回はこうした気遣いが逆に不透明性を高めてしまった部分もありますが)。まずは前提と目標を(ある程度)ハッキリとさせた上で、広く意見を募る方向に持っていきたいと思っています。つまり、これはこれで、と終わらせるつもりは少なくとも私にはありません。

【最後に】
本当に長くなりましたが、皆さんがMYSCONに対して向けてくださった関心を決して無駄にはしたくないと思っていますし、皆様の意見が私(とスタッフ)にとっての新たな力になったとも思いますので、今後はそれを受けてよりよいMYSCONにしていきたいわけですよ。
近いうちにスタッフ間でのある程度の総意をとった上で、意見交換の場をオン・オフ両方で取れるような形にしたいと思いますし、その際には多くの方々からの忌憚のないご意見をいただければありがたいと思っております。これも現時点では総意ではなく個人的意見になってしまいますが、「MYSCON」という枠でなくともこういった意見交換は意味があることだと思っておりますので、必ず実現させたいと思っています。
この度はお騒がせした面と同時に、わからない人にとって「なんだなんだ?」というような動きになってしまったとは思いますが、上記の内容を踏まえ、今後の動きを見ていただいた上でご理解いただき、今後ともMYSCONを見守っていただきたいと思います。