『TAKE OFF 〜ライト三兄弟〜』小林賢太郎プロデュース

作・演出:小林賢太郎、出演:オレンヂ、久ヶ沢徹小林賢太郎
タイトルそのまんまの話だった。飛行機オタクと大工と自分探しの旅の途中の若者が三人で飛行機を作る話。流れ的には川端裕人の『夏のロケット』(読んでないけど)みたいな話なんじゃないだろうか。現状にそれぞれ悩みを抱える大人(と若者)が集まって飛行機を作ることで少なくとも精神的な現状を打破して一皮剥けよう、みたいな。
今まで見た(といっても映像でだが)小林賢太郎プロデュースの芝居がどれも凝った内容だっただめ、その辺も期待していったんだけど、話は直球な上にストーリー展開も殆どないため(三人が出会う→飛行機作る、みたいな)そこら辺は物足りなかったものの、その分目前で披露される笑いに関しては深く考えることなく爆笑できた。小林賢太郎ソロ公演とも違って、笑いの質も非常にわかりやすく単純で、かなり万人受けする内容になっていたと思う。
キャスト的にも小林賢太郎が飛行機オタクで、いかにもオタクらしい彼らしく、ラーメンズコント(ネアカバージョン)を見ているかのようで、その分、随所に挟み込まれるアドリブやら自虐ネタが芝居にマッチしていた。久ヶ沢徹はいつも通り変な人。ホントにこの人は変な人の役以外見たことないよ。
芝居が始まってビックリしたのが、本当は村上淳が出るはずだったのに、見たことのない人が出てきたこと。どうやら村上淳の体調不良でオレンヂという人に代わっていたらしい。3日前に人に譲ってもらったチケットだったので、事前知識がなく、チケットに書いてある通りだと思っていたからちょっとビックリした。悪くはなかったけど、さすがにこの二人の間に入ると、やや見劣り、というよりはコンビ芸にピン芸人が混じる、という感じはちょっとした。
舞台装置も含めて、とにかくベタな芝居で、こんなにベタなことを小林賢太郎がやるとは思っていなかった分、ちょっと驚いたかも。まあ、欲を言えばもう少し奥深いものが見たかった気もするけど、こういう爽やか系もたまに見るといいのかもしれない。