昨日は久々に『相棒』を見た。まあ、見られる時間に帰ってた、ということも大きいのだが、それ以上に導入の部分で「これは、1クールに一回はくる本格メソッドのエピソードだ」という臭いがプンプンしたので思わず見てしまった、というのが正しい。
右京と亀山が雨宿りした豪邸ではパーティの真っ最中。そこに集まるいわくありげな人々。そしてグラスマーカー。この時点で、人数が限定された、ある種の「吹雪の山荘」であることが明示される。そして、子供の飼っているハムスターを探す、という理由で邸内を動き回り満遍なく登場人物を紹介。この辺りの演出は巧い。
しかし、一向に事件は起こらない。あるのは「ハムスターはどこ?」という謎だけ。そして、一通りの人物紹介が終わったところで右京がこう呟く。
「人数が合わないんですよ」
つまり今回のエピソードは、犯人を探すのではなく、どんな事件が起こったのか、ということを当てさせるというものなのである。一見しておかしなシチュエーションはない。ヒントはただひとつ、右京の「人数が合わない」という言葉だけ。
実際はまあ、これだけの煽りでそんな事件かよ、という程度のものなのだが、アプローチの仕方が面白い。どんな事件が起こったのか、を考えさせるミステリはこれまでにも色々あったけど、こういうアプローチをテレビでやるというのが面白かったなあ。
しかも、この事件で終わらない、ってところがミソ。ちゃんとハムスター失踪事件にも決着がつくし、この回の『相棒』は高ポイントでした。