本日は東京国際ブックフェアの初日に行ってまいりました(仕事で)。某協会の某賞の授賞式というのがあり、そちらにスタッフ(受付)として駆り出されていたので朝一から入場。無意味に派手なテープカットを喫煙コーナーで見てから入場しようと歩き出したら目の前を秋篠宮夫妻が通ったので驚いた。まさかあんな近く(2メートル先)で皇室見るとは。テレビで見てるとあの方達が通る時はいつも人の群れがひしめいているものだと思っていたので、普通に歩いていると一瞬気付かなかった。SPも5、6人程度だったし。
そんなこんなで入場して仕事して、その後にブースを廻る。仕事に関係ないところでの感想としては、今年から西開場に移って、出展社は増えたという公式発表があった割には規模としては縮小された感じ。さすがに業者向け初日のせいもあって盛り上がりに欠けるのは致し方ないとしても、全体的にこじんまりした感じは否めない。出展社が増えても共同出展だったり、ブースの規模はそれぞれ削減したっぽい。
特にここ数年でのブックフェアの盛り上がりに大きな影響を与えていたデジタル・IT系のブースが極端に減った。Adobeは元気だったし、去年は片隅でひっそりとしていたGoogleも今年からはブースを広げていたが、特にハードウェア・デバイス系の出展が減り、展示会慣れしている業種が減ってしまっただけにこじんまりとしたイベントに見えてしまったのかもしれない。
では、版元コーナーはどうかというと、こちらは一見例年と変わらないように見えて、明らかに出展社は減っている。いや、新興の会社や出版専門じゃないところが出展したりで総じて増えているのかもしれないが、いわゆる老舗版元は確実に減った。人文書・理学書などの版元が集まったコーナーを見ても、昨年までいたあの版元が今年はいない、みたいな。
それでも個人的に毎年足を向けてしまう、みすず書房白水社国書刊行会などは例年通り。国書のブースでは『世界ミステリ作家事典 -本格派編-』 【bk1】と『世界ミステリ作家事典 -ハードボイルド・警察小説・サスペンス編-』 【bk1】を買おうかどうか迷ってしまう(7,500円が20%引きの6,000円で買えると思うと迷うよね普通)のだが、結局この重さを持って歩くことを考えると断念してしまう、ということをこの三年間続けています。進歩なし。
結局この日買ったのはみすず書房のブースで『囚人のジレンマリチャード・パワーズ 【bk1】のみ。これも3,600円が2,800円程度で買えるのなら、という勢いだったことはナイショだ。個人的には『ガラティア2.2』とかの方が面白そうかと思ったのだが、ちょっと立ち読みして「これは私には無理そう」と諦めた。いやまあ『囚人のジレンマ』も恐ろしい数の注釈が付いていて読みきれる自信あんまりないんだけどね。
まあ、ミステリやSF好きで高い本を少しでも安く買いたい、という人はこの辺のブースを廻ってみると面白いかもしれません。国書はウッドハウスも全部置いてあったし、ジーン・ウルフや、アルフレッド・ベスターの『ゴーレム100』とかの新刊も含めて結構置いてあるしね。
その他に気になった版元としては講談社。といってもいい意味ではなくて「なんでやねん」という意味で。というのも、この業者相手初日に佐藤多佳子のサイン会を開催していたから。それも本屋大賞受賞作『一瞬の風になれ』をですよ。業者相手にサイン介してどうする。っていうか佐藤多佳子だってやりにくくない?。どう考えても一般参加者の方が喜ぶ企画だと思うんだけどなあ。ついでに他の御三家は集英社はいつもどおり付き合いで出してるだけ、小学館はここ数年は児童向け書籍で頑張っているイメージがあったんだけど、今年は普通の書店の小学館コーナー、みたいな感じでした。つまり面白くはなかった。
それにしても海外の人がホントに増えた。出展、つまり売り込みだけじゃなくて買いに来てる人も。特にアジア圏。そこら中で外国語が聞こえます。そういう意味ではこの場でトークマスター売ってるサン電子は慧眼かもしれない(違うだろ)。の割には今年は注目作がなかったせいもあってブース自体は地味でした。
そんな感じで歩き回って結構疲れましたが、仕事で行くよりも一般で参加していた頃の方が単純に面白かったなあ、とは思うのでした。

世界ミステリ作家事典 本格派篇

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囚人のジレンマ

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