新宿二丁目で『桜庭一樹読書日記』を読む。
一昨日は仕事で新宿二丁目に行く用事があり、一時間半の待ち時間ができたので喫茶店(などというシャレたものは近くになかったが)で読み途中だった『桜庭一樹読書日記』を読み終えた。なんでわざわざ新宿二丁目で読んだことを書くのかというと、この読書日記にも書かれているように著者はこの近くに住んでいるらしいからである。日記の中では当然色んな場所が登場し、版元の東京創元社や実家の鳥取が登場するわけだが、この読書日記の大部分が書かれたのがこの街である、と想像するとなかなかに趣き深いものがある。
そういやかつては小説の舞台になった場所で、その小説を読む、とかそれが書かれた場所でその本を読む、とかいう乙女チック(?)な行為を夢想していた時代もあっただなあ。まあ、物語の舞台となった街に行ってみたい、という願望は今でも持っているが(かねてより『占星術殺人事件』に登場する京都の喫茶店には行ってみたいと思っている)。
昔ほどではないにしろ、というか色んな意味で世界が狭くなり、同時に特色が薄れていく中で「その場所の空気」というものまでが薄れつつあるような気もしてはいるのだが、それはそれとしてもその本が書かれた場所でその本を読む、という行為はやはり通常の読書とは違う付加価値があるかもね、なんてことを思いましたとさ。