『スパイダーマン2』(2004 アメリカ)

監督:サム・ライミ、出演:トビー・マグワイアキルスティン・ダンスト、アルフレッド・モリー
いやー、面白かった。この映画が単純に楽しめるのはヒーローものでありながらカッチリとしたヒーロー像を作り上げていないので、ツッコミどころの多さも流せてしまうところにあると思う。観ている側も作り手のそういう意識を共有できるので、ただ楽しめばいい。むしろツッコミどころが残っている分、より楽しかったりする。久々に「1」よりも面白い「2」を観たよ。
ストーリーとしてはオーソドックスだし、ヒーローアクションなのに思ったよりもアクションは少なかったりする。ただ、1よりも際立って面白いのがギャグ。ヒーロー映画のパロディに出てきそうなシーンが堂々と劇中で演じられているのがとにかく面白い。エレベーターのシーンは最高。こういうセンスはさすがサム・ライミだと思った。
それでいて構成とか見せ方はサム・ライミらしからぬ正統派な演出で、わかりきった展開や演出でグッとくる。電車のシーンは個人的にツボ。アメリカらしさも良く出てると思う。
いかにも「3」に続くラストとか、MJの男遍歴とか、ドック・オクの最期を無視していちゃつく二人はどうなのかとかやっぱりツッコミたくなるところもあるんだけど、オススメ。1よりも面白いのは請け合い。正直今から3が楽しみです。
スパイダーマンという映画は基本的にコミックに忠実であるということを考えると、マーベルコミック、ひいてはスタン・リーの凄さを思い知らされる。スタン・リーといえば言わずと知れたアメリカコミック界の大御所であり、ここ数年だけでも『スパイダーマン』、『X-MEN』、『ハルク』といった作品が映画化されているわけだが、その先を見通した、それでいて普遍のテーマ性というのは改めて感心させられる。なんか本気でコミック集めたくなってきたなあ。