『空の中』有川浩(ISBN:4840228248)

面白かったかと聞かれれば、「面白かった」と答える一作。けれど、絶賛か、と問われれば「うーん」と答えてしまう一作でもある。
日本単独開発の超音速旅客機、F-15イーグル、UMAと個人的には大好きな材料が揃って、キャラクターの配置、ストーリーの大枠、いずれも面白いと思った。だが、色んな部分で稚拙さを感じてしまうのだ。
そのことを人に話したら「だってラノベだから」と言われてしまった。確かにハードカバーとはいえメディアワークスだし、ラノベと言われればそうなんだろうけど、別にラノベだとかミステリだとかホラーだとかってジャンルを意識して読書しているわけではない自分にとっては、やっぱり勿体無い感じがするのである。だって面白いし。
引っ掛かった点を論っても仕方がないので、特に明記はしないが、全体的に地の文でどうしても引っ掛かってしまったのは私だけなんだろうか。
もしかすると、稚拙というのとは違うのかもしれない。こういう書き方がラノベのスタンダードなのかもしれない。しかし、だとしたら自分はやっぱりラノベ向きではないなあと思う。面白かったことは間違いないんですよ。でもねえ…。
どうでもいいことなんだが、この本は物理的に重すぎる。