批評の難しさ

批評っつーと大袈裟ですね、まあレビュー。最近はサボリ気味とはいえ、今まで散々レビューを垂れ流しておいて今更なにが「難しさ」かと。ただ、ここでいう批評、レビューというのはいわゆる同人誌に対してのもの。要するにプロ相手じゃないレビューってことです。
先日、某がくしと話していても感じましたが、こういった同人誌(含むアマチュア劇団)などのレビューというのはとても匙加減が難しい。プロに対するスタンスと同じように読んで語っていいものかと。「公開している以上、どんな批評やレビューにも耐えるべき」という意見が真っ当なものであることはわかりますが、ぶっちゃけ知り合いに対してはそこまで単純に割り切れない部分はあるでしょう。判断基準のひとつに「心構え」みたいなものがあって、プロを目指すからそれと同等の扱いをして欲しい、という書き手ももちろんいるとは思いますが、逆に「いや、趣味で書いてるんで」という人もいる。一つの同人誌の中でもそれらが混在している場合があるし、なによりどの作品がどの心構えで書かれているかは読み手にはわかりませんしね。
しかもレビュアーである自分自身はどういうスタンスで作品と向き合っているのかと考えるとこれまた難しい。「プロと対等」のつもりで作品に接したとしても、所詮自分のレビューはプロと対等ではない訳で、「お前ごときになにがわかる」と言われてしまえばそれまでなんですよね。プロ相手の場合は大概お互いを知らないで済みますし、知っていたもそこはそれ、大人の付き合いができる部分が多い。プロの懐の広さってのもあるでしょうし(「はいはい、素人さんがありがとう」的な)。
かつて私も高校時代文芸部に所属していたので、この辺の難しさは肌で感じてきているんですよ。おためごかしじゃない感想は欲しいけど(自分にとっての)的外れな感想は聞きたくない、とか。その辺をスルーできる人とできない人はやっぱいるし。スルーできる人は大人、とかそういう問題でもないんですよ。作品に固執している人はそれだけ作品に対して思い入れがあったりして、頑張ってるなあとも感じるしね。ホント、匙加減とか言葉遣いとかフォローとか、気にし始めたらキリがない。それでもまだ直接本人と一対一で話すのはその場でバランスが取れるんで楽なんですけどね。Web上で書くのとかは難しいよなあ。
なんてことを考えているのは、『ヘリオテロリズム Vol.2』を読み終わり、オンライン文芸マガジン『回廊』を読んだりしているからだったりするのだった。