『天使と悪魔』ダン・ブラウン(ISBN:4047914568)(ISBN:4047914576)

いやーこれは面白かった。『ダヴィンチ・コード』がバカ売れしているダン・ブラウンの宗教象徴学者ロバート・ラングドンシリーズの第一弾。
ボストンに住むラングドンの元に早朝一本の電話が入る。セルン(欧州原子核研究所)所長のコーラーは、研究者が謎の死を遂げ、そこに残された刻印の謎を解いて欲しいとラングドンに依頼する。乗り気でなかったラングドンだが、FAXで送られてきたその刻印を見て驚愕する。それは今では消滅してしまったはずの秘密結社、「イルミナティ」もののだったからだ。
こうしてラングドンは事件へと足を踏み入れていくわけですが、この上下巻700ページ以上に渡る物語が、なんと彼が早朝起きてから、深夜眠るまでのたった一日の話だというんだからまず驚き。アメリカのボストンからマッハ15でヨーロッパまでひとっとび。さらにイタリアへと場所を移して、バチカンで行われているコンクラーベ会場はそりゃもう大騒ぎという超エンタテイメント。
先日、ローマ法王がお亡くなりになって、すっかり有名になった「コンクラーベ」。この小説ではまさしくその「コンクラーベ」が渦中となり、また物語の重要な要素となります。その意味でもこの時期に読んで良かった。
とにかく、これを読んだらいますぐマッハ15で飛ぶジェット機に乗ってローマに行きたくなる。そして、実際にこの小説の通りに街を歩いてみたくなること請け合い。私のようなオカルト考古学好きにはたまらん。
小説としての粗はあるけど、それを差し引いても面白かった。『ダヴィンチ・コード』も楽しみです。