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- 『テレキネシス -1-』東周斎雅楽/芳崎せいむ(ISBN:4091875912)
超能力マンガではありません。見逃していましたが、『金魚屋古書店』の芳崎せいむと『イリヤッド』の東周斎雅楽、つまりは長崎尚志(浦沢直樹のブレーンで『MASTERキートン』や『PLUTO』にも携わっている)のコンビが描く、古き良き映画を物語りに絡めた、まあ『金魚屋古書店』のまんま映画版ですね。晴れて憧れの山手テレビに就職した主人公が、なぜか局のお荷物である一人の男の世話を任されるわけですが、この男というのがハンパじゃない映画好き。様々な人の悩みに対して、一本の映画をオススメして彼らの悩みを解消する、という構成。まあ、芳崎せいむなんで相変わらずのやや生ぬるい感じのヒューマンドラマなんですが、古い映画好きとしては面白く読めます。見てない作品も出てくるし。1巻で紹介される映画は『風と共に去りぬ』、『オール・ザ・キングスメン』、『エルマー・ガントリー』、『サンセット大通り』、『愛と青春の旅だち』、『大いなる勇者』、『アスファルト・ジャングル』。残念ながら『オール・ザ・キングスメン』(ジュード・ロウとショーン・ペンでリメイクされるらしい)と『エルマー・ガントリー』は未見。この他にも『スミス、都を行く』など多くの作品が作中に出てきます。沢山の薀蓄も出てくるし、古い映画に興味がある、という人には面白く読めるマンガだと思います。あまり本編にはこだわらず。