蹴球微熱 日本VSホンジュラス

ホンジュラスは前に日本で試合したときも「いいチームだなあ」という印象があったのだが、この試合でもその印象は変わらなかった。メキシコやコロンビアをはじめとして中南米は本当にいいサッカーをするチームが多いなあ。特に、トップの二人と右サイドの14番は前線の選手として素晴らしかった。前を向くスピード、守備の時の戻りの早さ、キープ力、トラップでの展開、どれをとっても一級品。正直、前半は日本の前線との格差が見え過ぎて哀しくなったほどだ。
結果的に逆転で勝ったとか、FWの二人が点を獲ったとか、自分自身を誤魔化すような評価はしても意味がないと思うので、正直な気持ちをいえば、やはり今の日本代表のサッカーは愛せない、ということに尽きる。
ワールドカップ予選でもなく、大会でもないホームの試合で、チームとして、指揮官としてどんなサッカーを目指しているのかがまったく見えない。4バックの実験はそれはそれでいい。けれど、最後までそれが修正できずに終わったのはどうか。結局いつまでも中田、中村の個人の展開力、FWの得点力(この日はうまく行ったが基本的に不足している)だけに期待するサッカーなのか?。
確かにそうしたサッカーでも一瞬の閃き、輝きは存在する。この試合でもそうしたシーンは何度か見れた。ただそれは言ってしまえば「たまたま」なんだよな。チームがそういう意図を持って動いた結果ではない。個人の能力がうまく噛みあった瞬間の「小さな奇跡」みたいなものだ。その小さな奇跡を増やすためにジーコはスタメンを固定化したり、家族的なものにしたりしているのだろうが、何度も言うがそれはチーム戦術ではない。
個人が上か、チームが上か、ということではなく、個人の能力がある上に、更にチームの戦術があったらもっといいだろう、ってだけの話なんだけどな。
実際問題、ワールドカップに出てくるチームが、日本相手に5点獲らせてくれるわけがない。理想をいえば4点獲られても5点獲って勝てばいいけど、それは無理だろう。戦術でなくてもいいが、「チーム」としての動きを見せて欲しい。連動性もあるが、この日の様なミス連発の試合をしてもスタメンを張れるとかもどうなんだと。
両チームの14番対決を見ていて、明らかにホンジュラスの選手に目が行ってしまう自分がなんか空しくもあり。結局、個人で上を行く相手には何もできないチーム、ということなんだよな。
まあそんな愚痴っぽいこと書いてますが、ナショナリズムを排除して見ていれば、それなりに面白い試合だったです。ホントにホンジュラスの選手のプレーは勉強になった。ボールを獲られないキープの仕方と、ボールを奪うテクニック、この二つだけでも日本選手は見習って欲しいと思いました。