昨日もちょっと書いた講談社の件だが、やはりハッキリ書いておこうと思う。というのも迷走書店(id:yupota)さんの日記を読んで「いくらなんでもそりゃねえだろ」と思ったからである。
ここ数日、数週間の間に講談社がネガティブな意味で話題になったのは私の知る限り4回あって、

  1. モーニング連載の『ブラックジャックによろしく』がサイコドクターぶらり旅の文章を盗用
    →『モーニング』45号にてお詫びの文章を掲載(単行本にもクレジットが出る予定)。
  2. 野間文芸新人賞審査員総入れ替えで、笙野頼子が反発
    → 詳しくはdaydreambeliever(id:cachamai)さん参照
  3. バガボンド』21巻に1ページに渡る写植欠落
    → 著者の井上雄彦のサイトでは交換告知がされているが、講談社サイトにはない。
  4. 末次由紀の盗用問題
    → 全作品の絶版・回収。連載も打ち切り。

といったような流れになっている。コミックネタが三件、文芸ネタが1件。この中でどうしても納得できないのが、三番目の『バガボンド』の写植欠落問題。
上記にも書いたように、迷走書店(id:yupota)さんを読むと、講談社はこの問題については「告知する気なし」ということがわかる。これは他の書店員さんの日記でも「講談社から連絡がないがどうしたらいいのか」というようなことが書かれていたので、おそらく連絡不手際ということではないと思われる。なにより、井上雄彦のサイトではハッキリと「文字の欠落」をお詫びしており、その交換を講談社が応じる、と明記してあるにもかかわらず講談社のサイトにはその旨が書いてない(あるとしても私には探せない範囲)。しかも、「不良品とはいえないので」現行の1刷を売り続けるという。「希望があれば交換に応じる」というが、店頭で普通に買った客はそれに気づかない可能性が高い。誰もが皆ネットをチェックしているわけではないし、それも井上雄彦のサイトにしか告知していないような情報を一般客がチェックなどできるわけがない。『バガボンド』がいったい何万部売れてると思っているのか(わかっているからこそ交換を宣伝したくないのではあろうが)。
それでいて末次由紀の作品は当該作品だけではなく全作品回収。この辺にも温度差というか足並みが揃っていないというか、基準の不明確さを感じる。
こうして講談社だけをあげつらったが、そもそも出版業界というのは顧客(ユーザ)に対しての姿勢というのが甘いというか手抜きを感じる。今時不良品を売っておいて知らんぷりというコンプライアンス欠如の感覚が信じられないし、客注を受けて二週間経ってから「お取り寄せできません」とかありえない話。ちょいと自覚を促す意味も込めてしつこく書き記しておくことにする。まあ、こんなところに書いても伝わらんだろうがな。