購入本

  • 『アンダーカレント』豊田徹也ISBN:4063720926
    衝動買い。帯で谷口ジローが絶賛してるんだもん。谷口ジロー好きとしては読まずにいられませんよ。作者は四季賞も獲ってるらしい。アフタヌーンで連載されてたというこのマンガは、ある銭湯が舞台。夫が突然行方不明になり、なにが原因かわからぬまま悩みつつ銭湯を再開するかなえ。そこに働きにきた謎の男・堀。近所の変なジジイ・サブじい。そして夫の行方を捜す調査員・山崎。かなえとこうした人間たちの絡みが緩やかなテンポで描かれる。ドラマチックでもなく、淡々と話は進む。少しずつ見え始めるかなえの心の中のもやもや。この辺の描き方(コマ割とか)は、まさに『事件屋稼業』とかに酷似してるなあ。山崎なんかそのまま『事件屋稼業』に出てきそうなキャラだし。カラオケボックスのシーンなんかはそのまんまだ。ラストもきっちりと終わるというよりは余韻の残る終わり方で、大人のマンガという感じ。誤解を恐れずに言えば非常に文学的なマンガでした。アフタヌーンは今一番「ごった煮感」がある雑誌だなあ。こういうマンガと『げんしけん』や『おおきく振りかぶって』や『ヨコハマ買出し紀行』が同じ雑誌に連載されているってのが面白い。