トヨタカップ2005 シドニーFC VS ディポルティボ・サプリサ

いみじみくもハーフタイムで解説の奥寺や武田が呟いた「サプリサはこんなもんなのか?」という言葉がまさしく象徴的で、その後に続く「いや、こんなもんではないはずだ」という台詞を言い終えないうちに、怒涛の攻めで後半3分で早くもシュート3本。その3本目が遂にゴールをこじ開けた。
事前にサプリサの情報を仕入れていた人なら誰もが前半のサプリサのパフォーマンスには首を捻っただろう。シドニーが弱いとは言わないが、それにしても好き勝手にやられすぎ。数少ないシュートシーンはさすがというところを見せたが、全体に巧くボールが回らず、中南米らしさはほとんどなかった。
それが後半に入った途端、見違えるようなチームになってたよ。一転して攻めの姿勢になってシドニーがそのペースに合わせられないうちにあっという間の得点。4バックから3バックに変更したということもあるとは思うが、精神的に前がかりになった時の強さはさすが。
そして一点獲った後のしたたかさはまさしく中南米のサッカー。ボールを回して回して相手を苛つかせ、出てきたところにカウンター。終盤、シドニーが賭けに出て人数をかけてきた時はやや危ない場面もあったが、「いかにも」といった戦いぶりを漸く見せてくれた。前半のまま終わってたらとんだ張子の虎だったよ。
シドニーは前半に点を獲れなかったことが全て。カズの出来というよりはヨーク以外に前でポイント作れる選手がいなかったことが残念。サイドを封じられた後半は攻め手に欠いた。仕方がないとはいえヨークをボランチに起用するってのも厳しいよなあ。ヨークが前に出て、後ろでボール出せる選手がいたら面白かったと思うんだけど。それこそブレシアーノとか。
途中の談話で驚いたのが、シドニーの選手が日本でスパイクを購入した(それも栄で)、ということ。シドニーは新興チームなのでまだスポンサーがついてないんだそうだ。それにしたってオーストラリアじゃいいスパイクも買えないのか。
これで準決勝はサプリサとリヴァプール。戦力的にはリヴァプールだと思うし、圧力は桁違いだと思う。ただ、そこを中南米っぽくいなすことが出来ればサプリサにも勝機はあるだろうし、なんといってもリヴァプールは来日したばかりでコンディションは悪いだろう。どんな結果になるのか楽しみだ。まあ本当は順当にサンパウロリヴァプールの決勝が見たいけどね。