2005年の読書を振り返る

まあ、なんだな、恒例ってことで。毎年この時期になるとわが読書量の少なさを憂うわけだが、それはもはや潔く諦めるとして。今年の傾向としては、いわゆる文芸系のジャンルをあまり読まず、ミステリにかなり偏った読み方をしたことが挙げられる。意識的にしてたわけじゃないんだけど、気がついたらそうなってた。無意識ながらもMYSCON代表になったことが影響しているのかもしれない。まあ、ミステリ系のイベントが多かったせいもあるけど。後追いも入れれば『このミス』や『本格ミステリベスト』のランキング本をこんなに読んだ年はないかも。
それと理由あって小説以外の実用書を読む機会も多かった。まさか自分がこういう本を買って読むようになるとは思っていなかった。変われば変わるものだ。
前置きはそんなところにして、とりあえず今年のベストなんぞを挙げてみる。海外国内ジャンル関係なしです。で、一位は。

なんの面白味もない結果でスミマセンが、東野ファンとしては『秘密』以来、ホントに待ちに待った一冊でした。ミステリだとか本格だとか本格じゃないとかそんなことは関係なく、私には素晴らしかった一冊。
で、以下は順位なしの面白かったベスト5の残り4冊。

  • 『天使と悪魔』ダン・ブラウン
    ダ・ヴィンチ・コード』も面白かったけど、個人的にはこっちの方が好き。とにかく面白い本。それに尽きる。たった24時間の話のはずなのに、この厚さでイベントてんこ盛りですよ。まさしくジェットコースターノベル。読んだら速攻でローマに行きたくなる。とにかく読んでみれ。
  • 『魔王』伊坂幸太郎
    『砂漠』もメッチャ面白いんだけど、この『魔王』から伝わってくるエネルギーにとにかく経緯を評したい。伊坂幸太郎がこれを書いた、という点でもインパクト大。数年後にきっと伊坂幸太郎の評論とかが出ると思いますが、この『魔王』は間違いなくマイルストーンな一冊となると思う。
  • 愚者のエンドロール米澤穂信
    普通なら『犬はどこだ』と書きたくなるんですが(小説としてはこちらの方が完成度も高いし)、この『愚者の〜』で作者がやろうとしている志の高さがとにかくよかった。
  • ウォータースライドをのぼれ』ドン・ウィンズロウ
    ぶっちゃけちゃえば不満も残る作品ですが、とにかくニールにやっと再会できた喜び。それに尽きます。残す未訳は一冊。ああ、残念だ。

他にも面白い本は沢山ありましたが、いちいち言及してたらキリが無いので、とりあえずこの辺を今年のベスト5としておきます。全体の印象としては佳作以上傑作未満が多かった年。面白いけど胸に迫る作品は少なかったかな。これはまあ文芸系をあまり読まなかったせいもあるでしょうけど。来年はもう少しバランスよく読みたいな、と。