トリノオリンピック三日目

  • スノーボード女子ハーフパイプ
    ここでもアメリカの強さは際立った。とにかくスピードが違う。着地の際にスピードを殺してしまうようなことがまったくない。そのことが同時に高さも生むし、加速するテンポが観客の興奮を煽る。男子同様、競技ではなく演技だった。日本人選手がどう、とかいう問題でもなく、あの演技を目前にした審査員たちが他の選手に30点台しかつけないのも致し方なし。むしろノルウェーのブースとオーストラリアのブライトがよく40点台取ったもんだと褒めてあげたい。決勝に三人進んだというだけでも快挙じゃないか。今井メロは残念だったが、トリノの直前番組では「確実に行きたい」といっていた彼女が、初っ端からメロフリップで勝負して来たことにビックリした。前日の童夢のことや、目の前でアメリカの演技を見て思うことがあったのかもしれない。怪我は心配だけど逆に今後は楽しみかも。
  • スピードスケート男子500
    うーん、予想外だったなあ。解説の堀井も言ってたけど、一回目の前半10組が終わった時点でのトップタイムは35秒24。高速リンクと思われたオーバルリンゴッドではこのタイムは決して抜けないタイムではない。実力者の集まる後半9組で激しく順位が入れ替わると予想した向きは多かったはずだ。それが終わってみれば、このタイムを抜いて34秒台を出したのはチークのみ。清水、加藤も35秒台前半を出すことは出来ず、直前の大会からの好調を持続した及川が日本人トップの4位だった。ウォザースプーン、フィッツランドルフ、ヤン・ボスといったメンバーにもキレが感じられない。リレハンメル、長野、ソルトレイクとオリンピックでは常に世界記録更新の期待がかかったレース(実際は更新されなかったが)になったのだが、今大会はどちらかというと僅差での戦いという興味に移った。そして二回目。やはり思ったよりもタイムは伸びず、35秒台前半は出るものの、終わってみても34秒台を二回とも出したチークが優勝。彼以外は34秒台すら踏めなかった。その意味では混戦となって面白かったがやはり実力者が実力を出し切れないレースというのはどこか見ていて空しさが残るものがあった。その点で一番興奮させてくれたのは、イ・カンシク。二回目の最終組で、この時点で3位の及川とのタイムさは0.1秒。一回目よりも早いタイムで滑らなければならず、プレッシャーは相当なものだっただろう。この競技での韓国初のメダルもかかる(だよな?)。その場面でのあのロケットスタート。34秒台のチークと最後まで競り合っての銅メダルは見事だった。韓国は大いに盛り上がっただろう。日本は逆に世界記録保持者の加藤を含めて今ひとつの出来。スタートでの勝負勘を保った及川は見事だったが、6大会連続のメダルはならなかった。反対にソルトレイクに続きこの競技を征したアメリカ。これまでこの競技は、オランダ、日本、カナダが引っ張ってきたが、そこに割って入り、完全にものにした感がある。1000メートルが強い選手、つまりはスタミナがある選手が強くなってきたのもある。そろそろ日本も強化方針を変える時期が来たのかもしれない。

フィギュアペアは眠気に負けて見れず。それよりもクロスカントリーパシュートがとんでもない面白いことになってたみたい。ノルウェーエスティルがスタート直後での混乱で転倒。しかも途中スキーが折れながらも銀メダル。正直、パシュートという競技自体が無理ありすぎ(実際数人巻き込んで転倒してたし)と思ってたけど、実際は面白そうだなあ。ああ、クロカンとかバイアスロンとかリュージュが見たいよー。