蹴球微熱 日本VSアメリカ

そうそう、オリンピックですっかり忘れていたけど、この前の日本代表とアメリカ代表の試合。都合で全部は見れなかったけど、もう初っ端から見る気なくす展開だったよ。でもそれは選手のせいというよりはジーコ、そして日本スタッフのコーチング能力のなさのせい。相手のチームの戦力分析、そして自チームの戦力分析というのは初歩の初歩だと思うんだけど、それがまったく出来ていない。正直、呆れて物も言えなかった。調整試合とはいえ、勝ち負けはともかくどう戦うかを考えたら、それくらいは必然だと思うんだけどなあ。
アメリカというチームがFIFAランキング7位だとか日韓ワールドカップでベスト8だとかはともかく、このチームはアスリートサッカーをやるチームだということはちょっとサッカー知ってれば誰でも知ってること。つまり、早く、高く、強く。それもサイドを走ってDFを置き去りにしてクロスを上げて、身体の強さを活かしてクロスをゴールに結びつける、それこそがアメリカの特徴なわけだ。そういう相手に対し両サイドに加地と三都主。ありえないよ。いや、加地は百歩譲っても三都主はありえない。で、実際の結果も三都主のサイドはもうボロボロ。好き勝手にクロスは上げられるは、逃れてもコーナーがやっと。で、失点もそこからですよ。そんなのわかりきったことじゃないですか。で、サイドが揺さぶられまくってるから中央もがら空き。サイドからクロスが上がった時にアメリカの選手が5人も中央にいた時は笑っちゃいました。加地も三都主もお世辞にもっていうかどう考えてもディフェンスが上手い選手ではない。そして、アメリカはサイドを封じてしまえば6割は攻撃の形を防ぐことができる相手。FIFAランキングとか関係ないと書いたけど、格上の相手に対し、「自分たちの形」を貫くことができるのはあくまでも「自分たちの形」がしっかりしているチームのやること。今頃3-6-1とか試してるチームが相手の戦力を考えなくてどうすんの?。とりあえず誰かジーコに「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉を教えてやれよ。
そして3-6-1。意味不明。いや、フォーメーションが問題、というわけではなくMFが6人で、その構成が小野、小笠原、福西、遠藤、加地、三都主。サイドの二人は別としてもボランチ色の強い四人を並べるのはどういうこった。小笠原は確かにトップ下の選手だけど、1トップでボールキープできない場面ではこの人は後ろに下がる傾向がある。実際鹿島ではトップ下は本山だ。結果、センターサークル付近で選手がゴロゴロして前にボールが進まない。取られたらサイド。でもサイドで追い込めない。の悪循環。
一応、福西ファンとしては言い訳しておきますが、身体能力は別として、この人の一番の特徴はバランスなんですよ。それが四人も同じようなエリアにいたらバランスも糞もありませんよ。むしろこういう時は誰かにマークつけちゃえばもっと活きたのになあ。という言い訳です >某氏。まあ、明らかに負け試合だとモチベーションが下がりまくっちゃうというのも事実ですが(もしくは激しくファウルして鬱憤を晴らす)。
選手交代後は点も獲ったし、いい展開、みたいな風潮もあるようですが、明らかにアメリカは落としてましたよ。それと、海外組がいなかったから、という意見もありますが、アメリカはスタメンの軽く3倍は海外組がいますよ。というか海外組がいなきゃ何も出来ないなら海外組抜きで試合しなくていいと思う。
結局、目的がなんだったのか、選手たちのノルマはなんだったのか、まったくわからない単なる親善試合をこの時期にやってどうするのかね、って話。戦力試すにしたって、どういった基礎の上に誰を乗せるというプランがなきゃ始まらないと思うんだが。結局「良さそうな選手を使おう」以上の戦術は未だに見えないんだよなあ。アメリカのように自分たちのやるサッカーがはハッキリしているチームと対戦すればするほど、日本代表がなんのビジョンもないサッカーをしていることが明白になる。
このチームの試合をドイツで見ることになるのかと思うと憂鬱です。ドイツくんだりまで行ってこんなチームの試合見たくないなあ。周りはうるさそうだし。