購入本
- 『DEATH NOTE -12-』大場つぐみ/小畑健 【bk1】
他のジャンプ新刊に比べて明らかに平積みの減りが違った。売れてるんだなあ。そんなこんなで最終巻。いよいよキラとニアの戦いに決着がつくわけで、そこはそれドキドキしつつ読んだ。とにもかくにも、こうしてキレイに話が終わったことに対して賞賛。少年マンガでこういう形で終わったマンガを久々に読みました。ラスト1ページが与える余韻もいい。あの絵を見て尚更に「このマンガは小畑健なくしてはありえない」と思った。
ただ、終わり方として、というか事件の収束としてのストーリーがあれでよかったのかと思うと正直「むーん」という気持ちもある。<ここからネタバレ>
<ここまでネタバレ>それと、これは「良い悪い」云々ではないのだけれど、結局キラとニア、という信念(哲学)は異なるけれども同じように「無感情」な人間同士の戦いとなってしまったことはどうなんだろう、と思わずにはいられない。彼らは確かに「神」ではないが、私からすれば「人間」にも思えなかった。単なる「天才」であれば、それは人間だが、彼らはそういった人間らしさをまったく持たない。キラがいう「正義」もニアがいう「正義」も、あくまでも彼らの中では哲学上の「正義」であり、彼らの内面から発せられる「感情」とは別のものである。そしてニア自身がキラを制裁しようとする思いも、その哲学を守る意味での「勝ち負け」でしかありえなく、優劣を決めることでしかない。「人の死」というものに対して何も感じず、人を裁くということに関して迷いもない人間同士が戦い、結果として人間は彼らに使われただけで終わってしまった、ということだ。ある意味では『マトリックス』現象(そんな言葉はないけど今作った)といえるだろう。おそらく作者側もそれを感じていたからこその、松田の行動があるのだとは思うが、それで何かが変わるわけではなかったしな。「死にたくない」という気持ちが人間特有の感情ではないし、それは感情とは別のものだ。
ただ、こうした設定のこのマンガが大いに受けている、というのは理解できる部分でもある。人は、自分が持ち得ない才能やキャラクターに憧れるものだし、『DEATH NOTE』でいえばキラ(ライト)のようなクールクレバーな造形は今時のキャラクターだと思うし、通常ならば熱血漢が主人公の少年マンガだからこそ、特異なキャラクター造形が受けたというのもあるだろう。それでも人というのはどこかでマンネリズムを愛する生き物で、最後の最後では「情熱」による(根性といいかえてもいいし、執念でもいい)「熱さ」やテンションを欲しがるものだと思っていた(思っていたからこその私の感想なんだが他の人がどう思っているかわからないので)だけに、この「天上界のもの同士」の戦いと決着には違和感がある。
ま、逆接にはなっちゃうけど個人的にはこのマンガでもっとも賞賛したい部分のひとつは、キラが安易なトラウマとかを持っていないという部分でもあるんだけどね。
- 作者: 小畑健,大場つぐみ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/07/04
- メディア: ペーパーバック
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- 『クロサギ -10-』夏原武/黒丸 【bk1】
どうやら山Pテレビ効果はものすごい影響があったらしく、帯に堂々と「累計130万部突破!」の文字が。ドラマ化してなきゃ絶対そんなに売れないマンガなのに。この巻では偽ブランド品販売を扱ったトリック詐欺と巨額融資詐欺が扱われてます。といってもトリック詐欺の方はお隣の氷柱ちゃんの家庭物語がメインかな。ただまあ、知らずに詐欺の片棒を担ぐ危険性を提唱してはいる。巨額融資詐欺は、毎年この手の詐欺が話題になるのに、騙される人が後を立たないのが不思議。「投資」という言葉ほど胡散臭いものはない。
- 作者: 黒丸,夏原武
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/07/05
- メディア: コミック
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- 『闇のイージス -24-』七月鏡一/藤原芳秀 【bk1】
久々に面白い巻だった。行方不明の甲斐を追って、アメリカでも最悪の刑務所へと潜入した楯。果たして甲斐はまだ生きているのか?そしてこの刑務所では何が起こっているのか?。あとがきで七月鏡一が書いているように「刑務所もの」というのはひとつのジャンルであり、確かにあまりハズレがない。その特殊な社会構造と人間関係が大きな理由だとは思うのだが、その中に一般社会ですら異端である楯が入り込むというところがこの巻での面白さだと思う。それにしても藤原芳秀の書く黒人ボクシング選手はカッコいいよねえ。
- 作者: 七月鏡一,藤原芳秀
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/07/05
- メディア: コミック
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- 『鉄腕バーディー -13-』ゆうきまさみ 【bk1】
バーディーのトラウマとなる「人形破壊」、つまり過去のストーリーが前巻に引き続き描かれていてひとまず終了。13巻という時点でこれを出してきてどうするつもりなのか。余計に話が混乱するだけじゃないのか。トラウマ話としてはまあ普通の話でした。
- 作者: ゆうきまさみ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/07/05
- メディア: コミック
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