表現の自由」とか「信教の自由」とか自由を振りかざす前に考えること、やるべきことがあるんじゃないのか。ルールとか法律とか、明文化されたものに拠ることは確かにわかりやすいし、一見正当に見える。でも、そうなのかな?。人間は互いに分かり合えなくなればなるほど、ルールや法律を(哲学と言い換えてもいいかもしれない)作り上げて声高に叫ぶようになったんじゃないの?。宗教とか民族とか歴史とか、そういうことの前に、一人の人間として考える力が失われてるんじゃないのかなあ。
在るものに簡単に拠るなよ。
パスポートの期限が切れていたために(タッチの差というのがもどかしい)、再取得せねばならず、その前段階として住民票と戸籍抄本を取りに行く。会社帰りなので区役所には行けず、行政サービスセンターに行った。ところが、私は住民票は移動したものの、本籍は実家のままだったので、抄本は横浜市で取らねばならないということが判明。幸い、二駅先に横浜市の行政サービスセンターがあったので、慌ててそちらに移動したが、抄本は当日に取れないのね。明日以降受け取りに来てくれ、といわれた。なんだかなあ。
引越しても本籍は実家のまま、という人は多いと思うんだが、そういう人たちはどうしてるのだろう。わざわざ抄本取るためだけに戻ってるの?。しかも当日取れなければまた翌日もだし。行政ってなんだかなあ、である。管轄ってものがあるのはわかるけど、パスポート取るのにこれだけ振り回されるのも納得いかんです。一度に全部やれりゃあいいのに。普通の会社だったら統合化してコストダウン図るところだろうが、公務の場合はそうはならないのだろうね。やっぱりなんだかなあ。
なりたいものになれない、という煩悶はいつまで経っても、いくつになっても止みはしない。だが、それでいいのだ。生涯、誰かに嫉妬しながら生き続けるだろう。

気になる本

  • 『JAPON』(ISBN:4870316994
    日仏のマンガ家の競作によるアンソロジー。日本からは安野モヨコ谷口ジロー松本大洋らが描いているみたい。とりあえず見てみよう。
  • 『シブミ(上)』トレヴェニアン(ISBN:4150411050
  • 『シブミ(下)』トレヴェニアン(ISBN:4150411069
    旧版を持っているのだが、この復刻版は表紙がカッコいい。一般的にいう面白い小説とは違うんだけど、是非読んでもらいたいと思う一冊。外国人が描いた日本、という世界観の中ではかなり驚きの部類だった。後半の冒険小説部分に関してはまあ、そういうのが好きな人(私とか)でないと合わない人もいるでしょうが。一部を引用しておく。

「シブミという言葉は、ごくありふれた外見の裏にひそむきわめて洗練されたものを示している。この上なく的確であるが故に目立つ必要がなく、激しく心に迫るが故に美しくある必要はなく、あくまで真実であるが故に現実のものである必要がないことなのだ。シブミは、知識というよりはむしろ理解をさす。雄弁なる沈黙。人の態度の場合には、はにかみを伴わない慎み深さ。シブミの精神が<寂>の形をとる芸術においては、風雅な素朴さ、明確、整然とした簡潔さをいう。シブミが<侘>として捉えられる哲学においては、消極性を伴わない静かな精神状態、生成の苦悩を伴わない存在だ。そして、人の性格の場合には……なんといったらいいか? 支配力を伴わない権威、とでもいうのかな? なにかそのようなものだ」