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  • 『大奥 -1-』よしながふみISBN:4592143019
    度肝抜かれました。連載読んでなかったからてっきりよしながふみが普通に大奥の話を書いているのかと思いきや、大胆な歴史改変マンガだった。
    疫病により、男子の死亡率が極度に高まった江戸時代。女性の4分の1しかいない男性は子孫を残す大切な存在として扱われ、生活手段や働き手は女性へと委ねられる。当然、将軍も同様。つまりこれは男女の逆転した大奥の話なのだ。しかもこの設定だけでは終わらない。この1巻では8代将軍吉宗(当然女性)がこの大奥という舞台に大鉈を振るう姿が描かれてはいるものの、男女の立場を逆転したという奇抜さが話の主軸となった人情話がメイン。しかし、その話が一段落し、この「男女逆転大奥」がいったん読者に伝わったところでよしながふみは更に話を進展させる。これが凄い。2巻が非常に楽しみだ。
    男女逆転大奥、という設定を知った時は「結局BL?」とか思ったりもしたが、掲載誌がメロディだし、そんなわけはなかった。これは傑作の予感ですよ(まあ、よしながふみはどれもいいんだけど)。
    男性の出生率が減って、男女の立場が逆転する、という設定で思い出すのは柴田昌弘の『ラブ・シンクロイド』なんだけど(こっちはもっと極端だが)、こうした設定を描く時はどうしても近未来とかにしたくなるものだ。それを江戸時代の大奥という舞台でやってしまったことがまず凄い。そして更にそうした歴史を利用して話を進めてしまう(と思われる)ところが凄い。展開だけでなく、設定も含めて「どうなるんだろう」と感じさせてくれるマンガは本当に久し振りです。
  • Xファイル DVDコレクション -16-』