『新ブラックジャックによろしく -2-』佐藤秀峰 【bk1】

「移植医は自分の臓器を提供できるくらいじゃなきゃ移植を勧めるな」という言葉に引っ掛かり、赤城に対して自らの腎臓の移植を申し出る斉藤。しかし、そのことで皆川とは喧嘩になり、指導医からも再び見放されそうになる。相変わらずの安っぽいエゴで周囲に迷惑かけまくりの展開。これまで以上にウザったいと感じてしまうのは、対患者というシチュエーションではなく、それが知人という関係に立脚しているからかもしれない。「病気が治るという結果があれば全てが許される」と思い込んでいる、その医者としてのエゴの押し付けがもはや同情や共感を得られないものになってきた。
モーニング時代の医療制度や、医局制度などへの問題提起は失われつつある。「個人」という存在に光を当てても、人間否定にしかならんのでは読んでいて辛すぎる。矛盾があるならなおさらだ。