「くりぃむナントカ」が好きな理由

なんか勢いで『Quick Japan』とか買ってしまった。特集が「くりぃむナントカ」だったもんでつい。今民放で、というか地上波で楽しみにしている番組って「報道ステーション」(実際はいっちゃんの天気予報パートの約20秒だけだが)と「くりぃむナントカ」だけなんだよね。
もんのすごく「くりぃむナントカ」が好きとかってわけじゃないんだけど、なんか見たくなる。流れてたらまず絶対に見てしまう。一見、特に他のバラエティと明らかに違うようなこともないし、画期的なわけでもなく、むしろ全体的にはダラダラゆるゆるしているそこらのバラエティに変わるところがないようにも見える。出てくる芸人だって特別じゃないし。
で、『Quick Japan』読んだらその理由の一端が解明した。この番組のダラダラゆるゆるの空気というのはかなり作りこまれた上で醸し出されているもの、というのが多分一番大きな理由。おぎやはぎ土田晃之のインタビューを読んでいても、芸人のアドリブに頼ったそこらへんのバラエティとは違い、かなり芸人にとっては試されたり、むしろ自分の好きなようにやれないことを楽しんでいる、ということが見受けられる。矛盾するようだが、作り込まれたダラダラゆるゆる感こそがこの番組の肝なのだ。
自分は基本的に作り込まれた笑いというのがとても好きで、昨今の「芸人」と呼ばれている(自ら呼んでいる)割りにろくな芸もしない風潮とか、そもそも芸を見せる場が限られていて、結局トークやリアクションだけで笑いを取るという番組ばかりが目立つのも正直面白くない。嫌がらせや人をバカにすることで笑いととる、というのは作り込みの笑いからは対極にあるものだと思う。
その点、「くりぃむナントカ」では一見すると、芸人たちは稽古を積んだ芸を披露するわけでもないし、嫌がらせもされるし、バカにもされている。しかし、それは企画の作り込みの上で成り立っているものであり、その場の雰囲気とかアドリブとかだけでは成立していない。しかし同時に作り込まれた企画であるにもかかわらず、決して大掛かりでもなければ、企画自体が面白いわけでもない。そもそもがそんなに大したことない企画なんだけど、きっちり作り込むことで「芸」としての笑いを作る、というのが多分とても好きなのだな。
例えとして相応しいかはわからないんだけど、自分はとんねるずは好きではないのだが、「みなさんのおかげでした」でたまーにやる「モジモジくんHYPER!」(芸人が壁に繰り抜かれた形になって壁を抜けようとするやつ)とかは好きな企画だったりする。
なんでもあり、ではなく作り込まれているからこそ限られた(求められた)笑いを如何に披露するか。しかし、そこに必死さや半強制的な空気が伝わってしまうと視聴者は冷めてしまう。だからこそのダラダラゆるゆるな企画とその雰囲気作り。
この辺は「ぷっすま」にも同じことがいえる。「ぷっすま」の凄さは企画のバリエーションが10個あるかないかなのに、それで9年間番組続けちゃうってこと。これはもちろん、ユースケと剛という根本的にダラダラゆるゆるな二人がMCってこともあるんだけど、それだけ企画が優秀ってことでもある。
んで結局何がいいたいのかよくわからないままいつものように終わるわけだが、つまりそのアレだ。「くりいむナントカ」は面白いよね、ってことだ。あと「ぷっすま」もね。