『PLUTO -5-』浦沢直樹 【bk1】

ゲジヒトの人間殺しの真相、そして天馬博士、さらにはヘラクレスプルートゥの戦い、という形でめまぐるしく展開する。最近の浦沢作品の中ではテンポよく進んでいる方だと思うが、もしかしたらまだまだ焦らされるのかなあ。「憎悪」のシミュレーションというのが、現代的で、なおかつ長崎尚志らしくて面白い。
ただ、浦沢直樹にしては珍しくゲジヒトの回想部分に関しては、現在の時間との区切りがややわかりにくい。多少混乱させるのは意図的にだろうが、もう少し分かりやすくてもよかったんじゃないだろうか。この辺は高度なマンガリテラシーを読者に求めているなあ、と思いました。