shaka2005-06-02

今度は大盛堂書店が閉店ですか。文庫タワーが大盛堂に変わった時からなにかあるのかな、とは思っていたが。旧文庫タワーの方は残るみたいですね。旭屋は大丈夫なのかなあ。渋谷はハチ公方面はブックファースト宮益坂方面は文教堂、という形になっちゃったなあ。まあ、パルコブックセンターもあるけど。新宿に紀伊国屋(本店、タイムズスクエア)、ジュンク堂という巨大店舗があって他にも三省堂やら啓文堂やらがあって(山下書店は閉店したが)、池袋はいうまでもなくリブロとジュンク堂があって、東武には旭屋がある。そう考えると渋谷という町はやはりちょいと特殊な気もする。まあ、コミックに関してはTSUTAYAが充実してるというのもあるが。
あー、これだからNTTは大っ嫌いなんだよなあ。

購入本

  • もやしもん -1-』石川雅之(ISBN:4063521060)
    各所で評判良かったので買ってみた一冊。もやし屋(麹屋)の跡継ぎで幼い頃から「菌」が目に見える主人公と、造り酒屋の後継ぎの幼馴染が農大に入学したところから話は始まる。菌研究の第一人者の教授とその弟子、おかしな先輩たちと農大独特の生活。これはある意味で『げんしけん』のオタク生活を農大生活に読み変えたり、『動物のお医者さん』の獣医学科を農大に読み変えたりすることのできる、「おかしな大学生活」マンガである。その意味でも充分に面白いのだが、漆原教授に匹敵するほど変人な樹教授が語る菌や醗酵に関する薀蓄、そして主人公の目に見える「菌」たちがどれだけ我々の身近な存在かというところなど、新たな発見もある。除菌が如何に無駄かってことまで。これは面白いマンガです。ただ、終わり方とか想像つかないけどね。

『狐闇』北森鴻(ISBN:4062750813)

旗師・冬狐堂こと宇佐美陶子シリーズの長編第二弾。今回は、陶子が市で手に入れた一枚の青銅鏡が謎を呼ぶ。
当然ながらこの青銅鏡に隠された謎を読み解くのがメインなわけだが、なんといっても今回の読みどころは、『凶笑面』の蓮杖那智、『孔雀狂想曲』の雅蘭堂こと越名が陶子とチームを組んで謎を解くという点にある。
これまでも他の北森鴻作品で、他シリーズの登場人物がチョイ役で登場したことはあるが、今回の那智と雅蘭堂はまるで本シリーズの重要人物のような役割である。ちなみに香菜里屋のマスターもこっちはチョイ役だが登場します。まさに北森鴻クロニクル。
メンバー勢揃いということもあって、謎もそれに対抗するかのように大きなものだが、正直大きすぎてというか陰謀がかりすぎてピンとこなかったというのが本音。個人的に陶子シリーズには旗師や贋作者、目利きが入り乱れての丁々発止の騙し合い、というのを期待していたので、その意味でも残念。それでも当然そのあたりが物語の切り札にはなってくるんですがね。
女性を主人公としてのハードボイルド、という点ではますます磨きがかかっていて、その点からすると読み応えはかなりある。しかし同時に今後の陶子がどうなるのか不安にもなる、そんな感じです。