shaka2005-08-23

くびき【▼軛/▼頸木/▽衡】

  1. 車の轅(ながえ)の先端につけて、車を引く牛馬の頸の後ろにかける横木。
  2. (比喩的に)自由を束縛するもの。「国家の―から脱する」

今に始まったことじゃないけど、毎日テレビを見ていてと思うことは、政治家ってのはクズの集まりですな、ってことだな。しかし、それ以上にそのクズを支持している人達がいるってことが恐いけど。そういう風に思ってしまう私がおかしいんですかね?。たまに自分の脳内が不安になるよ。あまりにも世の中の動きに納得できなくて。
駒大苫小牧の事件にしても、暴力を肯定するわけじゃないけど、しつけや教育とと暴力はやっぱり違うものだと思うんだよな。そしてそれ以上に、このタイミングでマスコミにリークする部員の親もどうかと思ってしまう。子供が逆に不憫ですよ。まあ、親にチクったのは本人なんだろうが。
繰り返しますが、決して暴力を肯定しているわけじゃありません。しかし、謂れのない理不尽な暴力以外の、正当な暴力、そもそも暴力という言葉が大袈裟すぎて正確でないと思いますが、も存在すると個人的には思っています。むしろそれに代わる言葉や罰則の方が陰湿な場合すらある。
私がこういう立場に立ってものを言ってしまうのは、現代における罪と罰の意識がどこかズレている、という思いがあるから。なぜそもそも悪いことをした人間の人権ばかりが守られるのか、自分にとってはそこが理解できない。「暴力はすべからく悪」という考えに首肯できない。いや、やはり「暴力」という言葉がうまく機能していないんじゃないか。親が子供を叱る、教師が生徒を叱る、その中で生まれる「しつけ」、「教育」、古い言葉でいえば「指導」、そういった行為をすべからく「暴力」という言葉で括ってしまうことに違和感を感じる。まあ、謂れのない「指導」を繰り返してきた親や教師が多かったせいで、こういう結果になってしまったのかもしれませんけどね。
この問題に限らず、原因を見ないで結果だけから判断する、ということが自分には苦手だ。それ以上に判断基準がひとつしかない、という見方が苦手だ。そのことが世間との軋轢になってしまうのかもしれない。
えーと、『スローダンス』についてはもうあまり語ることもありません。すさまじい迷走ぶりだ。

購入本

  • ジパング -20-』かわぐちかいじISBN:4063724638
    草加の原爆開発を阻止しようとする梅津。だが、あと一歩のところで命を落とす。そして艦長の訃報に再度揺れ動く「みらい」のクルーたち。「みらい」はどこへ向かおうとしているのか。そして遂に菊池と草加は角松までも排除しようと画策する。草加の描く対戦終着図があまりにも肥大化してきて、その中で梅津や角松を含む一人一人の人間達が虫ケラのように扱われていく。たかだか未来を知った人間にここまでする権利があるのか、とどうしても考えてしまう。そして同時に梅津の様な人間が人を動かし、結果としてより大きなものを動かしていくことの方が大切だと思う。なんでもそうだけど大義名分を表に出して物事を語るやつほど信じられないものはない。
  • 神の雫 -3-』亜樹直/オキモトシュウ(ISBN:406372459X
    遠峰に散々にこき下ろされたレストランを再建するためにワインと料理の「マリアージュ」を成功させようとする神咲。この巻のテーマはその「マリアージュ」。ワインが如何に料理を引き立てるか。それを踏まえた上で、イタリアワインとの対決が近づきます。相変わらず表現がオーバーすぎますが、ワインの知識は確かにふんだんに盛り込まれていて面白い。酒飲まないのにワインに詳しいという、嫌な男になってしまいそうです。

『死神の精度』伊坂幸太郎(ISBN:4163239804)

人が死ぬ前に現れ、その人間が死に適しているかかどうかの判断を下す「死神」を主人公とした連作短編集。【死神の精度】【死神と藤田】【吹雪に死神】【恋愛で死神】【旅路を死神】【死神対老女】の6編を収録。表題作の【死神の精度】は推理作家協会短編賞を受賞。
当然ながら伊坂幸太郎なわけですから、及第点は軽く突破。それを踏まえた上での感想としては、うーん物足りん。まず、表題作がぬるい。これが推理作家協会賞とは。正直、一編目を読んだときは落胆しました。しかし、読み進めて行くうちに、一編ずつが上り調子。ラストの【死神対老女】なんぞは伊坂幸太郎得意の伏線まくりでキッチリ納めてくれます。これは見事だった。それはいいんだけど、全体的な感想としてはやっぱ物足りんのですよ。「もっとできるでしょ!」みたいな。
死神という主人公を描いていて、その個性はほどよく出ているものの、どこか活かしきれてない部分も感じる。あと逆にうまく設定を作りきれてないな、という部分も。それは大概、他の死神との交流部分だったり、対象の死に際だったりするんだけど。
いや、面白いし、オススメであることは間違いないんだけどね。大満足、とはいかなかったんですな。というかそろそろ長編が読みたいなあ。
あ、余談。これは完全に個人の好みの問題ですが、いちいち死神が「ミュージック」というのがなんかぞわぞわした。伊坂幸太郎が仕掛ける、こういうちょっとズレた感じのスタイルは肌に合わないとなんかぞわぞわするんだよね。概ね好きなんだけど、今回はこれがちょっとダメでした。作者の意図はわかるんだけどね。