バレーボールが資金難ってマジですか?

 『Number』最新号(806号)の「Number Eyes」を読んでいて愕然としたことがあったので書き記しておく。

 記事はロンドンオリンピック出場権を逃した男子バレーボールに関する記事であった。その中で監督人事について語られた部分があるのだが、全敗で終えた北京五輪後に協会は監督を公募したらしい。外国人監督の名前も挙がったということだが、結果的にそれを諦めたのは「財源がない」という理由だというのだ。


 これが他のマイナースポーツならその言葉は大いに理解できる。プロスポーツとして成立していないスポーツなら尚更だ。
 しかし、ことはバレーボールである。


 皆さんもご存知のように日本でのバレーボール贔屓は異常な事態である。
 ワールドカップは日本での永久開催が決まっており、その他にもグラチャンや××大会といったありとあらゆるバレーボールの大会がなぜか日本で行われる。
 そしてそこには必ずジャニーズが付いて回り、代々木体育館は満杯だ。
 しかも試合は地上波で必ずゴールデンタイムに放送される。つまり放映権が買われているということだ。
 これだけ恵まれたスポーツが日本で他にあるのか?
 というか素人目にも多くの利権が絡んでいることは明らかだ。
 もちろんプレーする選手たちに責任があるわけではないから、試合自体を否定する気持ちはさらさらないが、ルールですらおかしなことになってしまったのは周知の事実である。


 そうした状況下において「財源がない」という発言がまさか協会から発せられるとは思いもよらなかった。
 いったい協会の収支予算はどうなっているのか?記事の内容よりもむしろそちらの方が気になって仕方がない。
 そして、その状況の中で強化委員長が雑誌のインタビューに対して「財源がない」といってしまう。
 つまり自分たちは本気で財源がない、と思っているということなのだろう。彼らはその矛盾を感じてすらいないのだ。もしくは金銭感覚が麻痺しているかだ。


 もし協会に金が入ってきていないなら、それまでに生み出された金がいったいどこに消えているのか(電通?)。
 協会に入ってきているなら、代表監督人事よりも優先されるなににその金が使われているのか。


 正直、日本でのバレーボールの扱いについてはその異常性を認めつつも、スポーツに還元される形なのであれば良いことだと思っていた(思うようにしていた)。
 しかし、それが外国人監督一人を雇うこともできないほどの「資金難」と聞いて驚くとともに、スポーツ自体にに還元されておらず、別の誰かの懐に入ってしまっていることを知り、とても空しくなった。


 私自身はスポーツが好きだし、アーティストやクリエイターと同じくらい自分を感動・興奮させてくれるアスリートに対して、何らかの形で還元できればといつも思っている。
 しかし、恵まれた存在だと思っていたバレーボールがこれでは、他のスポーツのアスリートたちはいったいどれほどの苦労をしているのか…。

 記事の本題とは別に、強く心に残った。