shaka2005-08-30

PRIDE情報はなんとかシャットアウト中。あと7時間乗り切るぞ。昨日の日記で「シャットダウン」を連発しているのは気の迷いと思いたい。
スローダンス』。腹抱えて笑えるドラマとなってまいりました。これが第三回くらいの内容だったらまだ楽しく見れた気もするがなあ。脚本家としては「もうくっついちゃうよ!でもまだ回が残ってるから無理矢理くっつけないように努力しなくちゃ!」みたいな展開。そのくせ、利一と歩美の別れとかは淡白にもほどがある。まあ体のいい厄介払い的な感じなので仕方ないのかもしれませんが。エビちゃん(よく知らんがそう呼ばれているらしい)はイヤな女モードから脱却した途端ダメ芝居になりました。広末と藤木直人の扱いもぞんざいになってきて、とにかくもうホントに迷走。オチが見えてる割には後どれだけ暴走するのかという意味で楽しみです。

購入本

  • 『period -2-』吉野朔実ISBN:409188492X
    ダメだ…。1巻読んだときから思っていたけど、このマンガにどす黒く広がる空気に耐えられない。頭が痛くなってくる。生半可に吉野朔実のマンガに同調しやすいがために逆にキツイ。1巻での父親の虐待に続き、2巻では、学校でのいじめ。そうした状況にありながら父親を求めてしまう廻と能の姿が申し訳ないけど気持ち悪い。先日『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』を読んでいたときもこのマンガのことがずっと頭にあったが、こっちの方がはるかにグロイよ。精神的に。この先も買い続けられるかちょっと自信がありません。
  • 太陽の黙示録 -9-』かわぐちかいじISBN:4091870392
    北日本へと乗り込むために海峡同盟の首領と面会する舷一郎。そして北日本では己の帝国を築かんとする董藤が全てを掌握し始めた。文字通り董卓の立場のキャラが登場。強烈なナルシズムを見せつけてくれますな。さて、孔明はいつ登場するのか。

『推理小説作法』江戸川乱歩/松本清張共編(ISBN:4334739288)

45年前の本がなぜ今になって文庫で復刊されたのかはわからないが、乱歩・清張の名前が並んでいるだけでも「ほほぉ」と思うし、ページを開いて目次を見れば、

と、錚々たる名前が並ぶ(平島は鑑識捜査の第一人者)。これを眺めるだけでもなんとなくありがたみがあると思ってしまうのはミステリマニアの性か。
正直にいってさすがに内容は古い。45年前というのは半世紀近く前なのだから仕方がないといえばそれまでなのだが、こうした評論的な部分においてもやはりこの45年でミステリは進化したんだということがよくわかる。
また、これも時代性なのかもしれないが、内容の多くに「本格至上主義」的な匂いを感じてしまう。特に荒正人の「推理小説のエチケット」は今読んだら憤るか笑うかどっちかしかない。あまりにも偏った見方である。特に著者自身が「ノックスの十戒」などを引き合いに出して「さすがに首肯できないものもある」とか書いているだけに尚更である。「恋愛要素はなるべくないほうがよい」って本気で言ってるのかなあ。
乱歩のトリック分類については本人の著書でより詳細なものがあるはずだが、こちらではやや大雑把な分類。それでもこれでもかと言わんばかりにネタバレをしているので古典について未読の多い方は注意。さすがに直接的なネタバレは少ないんですが、「誰々の作品では」と書かれるとある程度想像がついちゃいます。
加田伶太郎のエッセイは、本人が誰だか知っていて読むのと、そうでなくて読むのとではかなり違った印象になるんじゃないかと思います。ちょっと鼻につく感じがわざとらしくて面白い。
で、本書の中でも最大の読みどころは松本清張の「メモ」。これは「推理小説の発想」の項で、ひとしきり意見を述べた後、実際の清張のメモを公開。しかも、そのメモが後にどの作品に反映されたのかまで書かれている。これは面白いです。清張作品を読んでいればなおよし。
総じて資料的な価値としての本であって、今この時代に読んで「推理小説作法」と言い切るには無理があるし、本書だけを読んでミステリを書かれたらとんでもないことになります。ただ、この時代に乱歩や清張といった第一人者が、推理小説の未来のためにこうした本を出したということも含めて持っておきたい一冊でした。先人に敬礼。